2003年8月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞      


花材/バニカム、カラー、ヒペリカムオータム、姫ひまわり、
アンスリューム、ゴッドセフィアーナ

ポイント 近年出回ってきたバニカムは何処にでもありそうな雑草に似ているが、とても涼やかで夏の素材として面白い。小さな穂?を見せるのがポイントで、分散させないで、やや集合させるのがいい。また黄色い花は姫ひまわりで、小さくて可愛い花である。日持ちはあまりよくないので水切りは不可欠。



花材/アンスリューム、
ウイキョウ、谷渡り

ポイント カウンターやサイドボードを意識した小さな作品。夏期は花持ちも悪いが、作例のように短くいけると案外長持ちする。
アンスリュームを極端に短く扱い、器と密な関係を作り、間には輪にしたタニワタリをチラッとのぞかせ、強烈な色に夏の想いをダブらせている。
このようないけ方では器の形が大切で、器のフォルムに馴染ませる事がポイント。

アンスリューム 最近では左の作例のようにアンスリュームの色もずいぶんやわらかい色調のものが主流となり、深紅の色は敬遠されている。しかし、インパクトを与えるような趣向には深紅は好都合で、その強烈な色は前向きに捉えたいもの。


 花火

増改築の心意気

 学生の頃、建築造型に興味があり、専門雑誌に紹介される斬新なデザインに目を通すのがとても楽しみだった。昭和30〜40年頃と云えば、それまで概して暗いイメージが強かった日本家屋に、大胆に西洋感覚を取り入れはじめた頃。なかでも、エントランス部分が広く開放された奇抜なデザインが人々の関心を集めたものである。玄関の間から畳を取払い、解放感あるユーティリティーとして、吹き抜けにした天窓からは外の明かりが射し込み、中央には用と美を合わせ持たせた曲がり階段がとても新鮮に感じたものである。また、地方では客間、仏間など、冠婚葬祭や沢山の人を迎えるのに不可欠だった「続きの間」と呼ばれる部屋が備えられていたが、客間は徐々に排除され、家は客のためのものではなく、家族のものと云う意識に切り替えていった。
 その意識転換により生み出されたスペースは、エントランスやキッチン、居間に振り当てられ、それまで家の片隅に追いやられていた台所が脚光を浴び、設備面でも一気に充実。システムキッチンにはオーブン、電子レンジ、最近では食器洗浄器も必需品として組み込まれる。主婦の動線を考えて、土間の時代とも別れを告げ、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機も同一レベルに配置し、少し余裕をもった洗面所、風呂場へとつなげる。水洗時代に入ると「トイレは別棟」と云った常識も覆され、家族の動線に組み込まれる。
 こうして明るさと使い良さを取り入れた日本の家だが、高温多湿の風土下では「呼吸する家」創りは必須で、気密性、遮音効果を持たせた「夏涼しく、冬温かい」配慮は欠かせない。空気のよどみ部分を排除し、結露、カビの繁殖を抑える研究も積み重ねられてきた。ただ、こうした多くのノウハウは古い建築様式に学んだ上での改良であり、建築史を無視した安易な新建材使用は、後に後悔する事を充分承知すべきである。
 最近リフォーム番組に人気が集まり、住まいの改造に興味がもたれている。リフォームは単に模様替えではなく、暮らしのアートとでも云おうか、利便性にプラスした住まう人の人間性が垣間見えるところに意味があるのであろう。テレビの前で見事に変身するビフォーアアフターの実際を見せつけられ、我が家でも実施したいと思っている人も少なくないだろう。しかし、大抵のばあい、その変身に感動を呼んでいる部分というのは、従来から日本の建築にあった手法を取り入れた個所で、先人が大切にして来た調度品や思い出品、永年使い親しんだ建て具の再利用を模索するなど、日本人としての温かい心が感じられてとても悦ばしい。一見、厄介者に捉えがちな古い家屋。現代の生活様式にそぐわなくなっているのは確かではあるが、ペンキ塗りではない本物がそこには存在し、工夫次第で快適な住まいに生まれ変わる原石である事は事実。だからそうした環境に住う人は喜びと捉えるべきなのだろう。
 しかし、修理には古い建物ほど経費がかかる。維持管理が大変なのはお役所も承知のはず。そこで私の提案。価値ある住宅改築には是非とも減税や補助を出し、木材の寿命まで家屋を存続できる支援を願ってやまない。
 床の間に代えた飾り棚に凛と生えるいけばながいけられていたらどんなに素晴らしいことか、住まう人の品格が窺えると云うもの。

                            専慶流いけばな真樹会主宰 西阪慶眞


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