2005年8月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
桧扇・いけばな専慶流
花材/ストレチア、パンパス、アレカ椰子、モンステラ、
デンファーレ

 緑色をベースに秋を先取りしたパンパスの組み合わせで初秋を彩る現代生花としました。ストレチヤは生花によく用いる素材ですが、茎の曲がりや花房の向きを考えて、立ち上る力強い構成につとめます。個性の異なる二種の葉の組み合わせが異彩で、面のモンステラが引き締め役となっている。
花材/エチナセア、ストレチヤ、オーニソガラム、シネンシス

 エチナセア(エキナセア)はキク科の宿根草。北米草原地帯、オハイオ州からジョージア州にかけて自生。現地では極めて役に立つハーブとして先住民の間では日常的に親しまれているようです。毒性が無く、免疫賦活作用があることから、現在ではエイズ治療薬としても注目されているとか

 作例は連花と呼ばれるいけ方で、同じ花器を二個またはそれ以上使って構成します。大小、色は異なっていいのですが、形は同じものがお薦めです。。

ヒマワリ・いけばな専慶流

世界遺産を継承する誇り

 今年7月、ユネスコの世界遺産委員会は新たに北海道・知床の登録を決定した。日本での世界遺産は十三番目、その中の自然遺産では白神山地と屋久島に続いて三番目の登録。海洋と陸上の生態系が連続する食物連鎖の存在、そして世界的にも高密度で生息するヒグマ、希少種のシマフクロウやオオワシ、オジロワシなどの繁殖地や越冬地にもなっているなどが登録理由で、国際的に見ても人間を排除せず、人間が入る形で生態系が守られている地域は大変珍しいと云う。小さな島国日本の自然が、如何に美しく価値あるものか改めてその国に住む者として誇りを持つと同時に、次の世代へと守り伝えてゆく責務を国民の一人一人が重く受け止めなくてはいけないだろう。これを機に足を運ぶ人も多くなるだろう。殺伐とした現代社会に生きる人々にとってはまさに別世界に映る事間違いなしの自然そのもの。多数の人がその感動と共感を肌に感じてもらいたいと思うが、反面、自然には自然のルールが存在することを理解しなければいけない。訪問許容人数も限らなければ均衡は崩れる。間違ってもリゾート地や利益追求型の観光化には絶対反対である。自然確保よりも人の安全確保が当然の様に優先され、観光の為の道路整備や様々な施設の建築など、小さな自然破壊はやがて大きな傷となり自然を損ねて行くからだ。昨年文化遺産に登録された熊野古道沿いには、歩いている場所がおよそ解るよう安全管理の為にと道標がいたるところに設置。急増する観光客に自生する苔が踏まれ少なくなっていると言う。そう言えば話しはそれるが、この春出掛けた八幡の背割堤櫻の木にも一本ずつプレートがかけられてあり、その不粋さ、無神経に違和感を感じたものだ。屋久杉の樹皮がえぐり取られたり、白神山地でも生態系に乱れが出ている等観光による様々な弊害が起きている。観る者の立場は、そのまま守る者としての責任、モラルが問われている事を痛感する。
 そんな思いでいる中、感動の旅をしてきたと言う教室からの便りが届いた。東京から南へ二○○キロ、八丈島の手前に位置し、船でおよそ八時間、周囲十六キロの「御蔵島」。最初に驚いたのは我々の生活とはまるで違い、あるがままの自然と共存すると云う時を積み重ねている現実だったと云う。極め付けは島の周囲が生息、繁殖地になっているバンドウイルカとの出会い。悠々と泳ぎ回り、手の届く距離に本物のイルカが、自分に向かって近寄って来る、自然に生息するイルカと共に泳ぐ…全てが特別ではない自然の中での触れ合い、互いが同じ生き物であるに過ぎない、優劣や強弱の無い関係が、そこにただ「ある」と言う感覚を体験。また、島全体がツゲ、クワ、シイなどの原生林で覆われ、自然保護の為ではなく、島の豊かな自然と共存する為に「自主ルール」に乗っ取った生活をしている。定められた経路以外には立ち入らない、動植物をはじめ様々な自然に存在するものは全てそのままの状態を保つ…そんな住民の心に守られた自然の姿が、島全体から感じられたそうだ。鬱蒼とした森林の中、微かな木漏れ日が届く場所で朽ち果てた倒木が、いまだ佇む老木が、美しい緑の苔に覆われてなおその姿を留めている姿、想像を超えた自然の感動に出会えた…と。
 自然との共存、それは人間のエゴを尺土にしてはありえない。世界遺産には危惧遺産や広島原爆のように負の遺産も含まれている。多くの心を読み取り豊かにするのは我々ひとり一人に他ならない。

                          専慶流いけばな真樹会主宰 西阪慶眞


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