花模様ロゴ ●2013年9月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
いけばな専慶流/朝鮮槙

●花材/

漂白キウイ、ゴッドセフィアーナ、弁慶草、トルコキキョウ

●花器/

大津寄花堂作青釉花器

●曲線を形にする現代生花。

 作例は漂白キウイ蔓を素材に生花様式にいけたもの。白色素材は残暑厳しい時期には涼やかさが感じられ、とても新鮮さを与えてくれます。自由に曲げて流動的な形を創り上げるのが見せ所。少し湿らせてから曲げると折れにくく、自由な形が作りやすくなります。弁慶草の塊をあしらいと控に配し全体を引き締め、ゴッドセフィアーナ、トルコキキョウを軽やかな動き、配置に。

ポイント 
 漂白キウイは茎が細いため、大きな空間構成には向かない。密な線の曲がりを効果的に扱い、全体の動きに結びつけます。

又木の仕込み 花器底には剣山を置き、さらに上部には又木を。つまり、剣山と又木の二重留め。茎の細い素材の時には有効です。


根元配置図

●花材/

彼岸花、ホウチャクソウ、ピンクッション、ライスフラワー

●花器/

手付き創作花器

ポイント 
 彼岸花と言えば、関東では巾着田、関西では明日香が有名で、里山の段々畑の畝に群れをなして咲く様は豪快である。
 いけばなでは一本一本の表情に焦点を当てた見せ方と、マッス扱いにする場合があり、そのどちらにするかをはっきりさせて構成します。

水揚げ 水切り。

専慶流/ヒマワリ、南天

 専慶流/タカサゴユリ 彼岸花

みがきをかける

 「なんとはしたないこと…」。女らしく…何かにつけ女性の行動は女であるが故に有無を言わせず拘束、制限され、それが人物評価へと繋がってきた。時代を遡れば遡る程この「はしたないこと」の対象内容は多く、そしてそれは京都において顕著だった。しかし時代の流れ、ここにも近代化によってもたらされた様々な異変がある。単純に女性の地位向上?を意味するのでは無く、男女平等改革の現れでもあろうか。
 例えば女性のペットボトルのラッパ飲み。当然背に腹は代えられない、四国では40度を越える気温を記録した今夏の酷暑、熱中症から身を守る手段の一つとして水分補給は欠かせない状況。形振りなんてかまってはいられないのだ。しかし、この行為、一昔前まではあり得ない事だった。お茶に限らず飲み物は湯のみ、グラス等に注いでいただくもの。まして女性が人前でラッパ飲みなんて、さらには所構わず、時には立ったまま飲むなんてもってのほか。文字通り「はしたないこと」だったのだ。しかし、現代社会の生活環境は随分様変わりをした。大人の通勤はともかく、幼稚園児、小学生までもが早朝から時間をかけて遠隔地通学するということが特別では無くなって来た今日、飲み物どころか人間の営みの原点とも言うべき食事さえ電車の車内、歩きながら、立ったままという現実を生み出している。それを目にし、さてあなたはどう思うだろう。多分特別な違和感を持って見る事も既に無くなっているのでは?食事を摂った子供達に比べると、朝食を抜いた子供達の集中力等が劣ると言った確かなデーターが出ている事を考えれば、食事をする事の大切さは明らか。その為には可能な状況の見極め、移動中に食事をと親は涙ぐましい努力を。子の為を思えば間違ってはいない、が、果たして理屈が通ればそれで良いものなのだろうか。今更問う方が可笑しいのかも知れないが、違和感を抱くのは私だけではないのでは。

 人は「慣れ」る事によって、その行動が特別ではなく当たり前になって行く。人前だからと恥じていた行為が、違和感無く当然となって行われる様になるのだ。女性が乗車率の低くない車内で、時には所構わず立ったままで化粧をする姿を見る事は、最近では珍しくない。素顔から、化粧をし社会の顔?への変身の一部始終を他人の目にさらす。口を曲げ、目を吊り上げ器用に筆や鏡を操る。真剣な顔での作業だが、化粧って他の人に不快感を与えないようにする身だしなみの一部としての飾り、美学なのだ。化粧風景は言わば生活の裏側、舞台裏の事であり、人前にさらけ出す行為ではない。少し早起きの努力をするよりも、その分睡眠時間等を取った結果なのだろうか。彼女にすればこれが生活のリズムなのかもしれないが、文化やマナーはその時代のレベルでもあると思っている。化粧をして、次にバッグから食物を取り出し…この女性の立ち居振る舞いは、決して特別ではなく、親でさえ容認しているのだから、落ちる所まで堕ちたもんだ。これも「慣れ」、そのうち見ている側も違和感を感じなくなって行くのだろうか。人はそうして様々な常識を、仕方が無いと諦め一つ一つ捨てて来たのかも知れない。立ち居振る舞いに見る配慮、品位、こだわり、日本の高い美意識水準を取り戻してもらいたいもの。


             華道専慶流 西阪慶眞


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