花模様ロゴ ●2016年11月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞

●花材/

茶の木、スカシユリ

●花型/

生花(行の花型本勝手)

●整然とした中での不規則な動き

 茶の木は中低木で、常緑樹。古来から生け垣や庭園樹として用いられる他、日本の食生活に欠かせない飲料として使われるなど、とても親しみのある木です。ツバキの仲間だが、花は小さい。材は硬く、撓めにくい。盛花、生花、投入に使い、幹の動きと、葉の重なりに伴う疎密の付け具合で異なる微妙な葉色の変化を愉しみます。

ポイント 
 しっかりした幹ものを天、天添に選び、力強さを求めましょう。
太い枝は留めにくいですが、切り撓め技法で慎重に優美な曲を創り出します。
葉は全体に茂らせるのではなく、疎密を念頭に整理し、苔幹の深い味わいを引き出していきます。
人から下はより一層しまった素材が求められますが、残った細い枝なども随時プラスして蜜な集合を構成します。 




人添まで入れたところ

●花材/

フウノキ、ツバキ

●花型/

投入(現代風)

ポイント 
 街路樹や公園で多く見られるマンサク科「フウノキ」。
落葉高木で、晩秋には色鮮やかに色づく。年数が経つと幹はコルク質を形成します。
葉は紅葉よりも大きく、風情というような繊細なイメージではなく、色彩そのものに焦点を当て、面的扱いをメインに、ダイナミックな表現がいいでしょう。

水揚げ 紅葉ものは数日後には散るみじかい運命です。風の当たらない場所を選ぶ。静かに扱う。


 ススキ

ITと上手な付き合い

 ロボットと共存する日々の暮らし…なんて言えば、どんな場面を想像するだろう。一昔前ならともかく、共存なんて、あり得ない!と、流石に即座に断言する人は居ないだろう。反対に、限りなく肯定に近い「もしかしたら現実に…」と思い想像する人も少なく無いはず。例えば新幹線や宇宙ステーションの様に、私達世代の者にとって漫画の世界や、SF映画の中で表現された空想上の物でしかなかったモノが、文明の発達によって現実となって来た過程を、私達の誰もが目の当たりにして来たからだ。急速な近代化、高度成長の社会がもたらした、その便利さ、快適さ、心地良さ等々をいつの間にか当然の様に共有している。それは、想像を絶する物であったはずのモノが、違和感無く、在って当然の感覚に迄なっているのが現状。40年程前にゆで卵器が売り出された時には、感動に近い喜びに驚いたのを覚えている。それからの文明の利器の開発は、ありとあらゆる分野で急速に進化し、今なお止まることを知らず…と言えば良いのか、一つの開発は、更に進展を続ける。反面その速度に比例して産業廃棄物等、負の産物も増加、見過ごす事の出来ない自然破壊へ。新しい物の開発に向かうエネルギーは果てしなく、負の産物は自然破壊に繋がり、私達の生活を脅やかす。副産物処理は今なお見過ごしがちで、やはり後回しに…。
 さて、話を戻します。近代化の社会では、工場では人に代わって作業をこなす産業ロボットが導入されている事をはじめ、私達の身近な所でもロボットは既に想像以上に多く進出。人形ロボットが人間に代わって受付をこなす、主婦に代わって家事を、買い物を、ある意味子育てさえもこなしている。子供の居ない家庭では子供となり…。更に、スイッチ一つで勝手に掃除をしてくれる、お湯が沸けば、ご飯が炊ければ、洗濯が終われば、シートベルトの掛け忘れ等々、あらゆる場面で機器が声や音で知らせてくれる。

近年では車の異常接近による衝突を避ける危険回避システムも進化し、無人で走る自動車まで。こうして考えてみると、楽して、安全で、緊張感の無い快適な日々…これがロボットと共存する暮らしと言う事になるのだろうか。「願ったり叶ったり!、共存大賛成!」と言う事になるのだろうか…。そんな無味乾燥な生活の中で人の能力は、人の役割は…と考えると、とてもとても容認できない。
 人が人として生きること、生きて行く意味はなんだろう。単調に繰り返される楽な生活を送る事…、では無いはず。手先の器用さ、勤勉さ、優しさや、思いやりと言った人の持つ資質は、日々の生活の中で学び身につけて来た特性であり、研ぎ澄まされていく。時には間違いに気づかず、誤った展開に進む事も在るかもしれないが、過ごす経験を伴う全ての時間が、その人の「人となり」を形成してきた。ロボットが点てたお茶は、全てが完璧で美味しい…と、もう何年も前にその存在を知った。習字で使う墨を磨るロボットは、墨の質に会わせて人の手では叶わない様な良質の墨を磨る報道もされていた。
 文明の発達は、日々身の回りの生活に役立つロボットを越え、様々な専門的な機器の開発へと進んでいる事は嬉しい。しかし、劇場に足を運び、生演奏を鑑賞した際に経験するあの全身に流れる感激は、ロボットや、CDでは到底追従できない。人の精神、魂は無二の存在だからであろう。
私達には持って生まれた、積み重ねた時間の中で培って来た、自分らしさがある。常にひと味違った人となりがあるから価値があり、愉しく暮らせる。多岐にわたる思いを認め、共有したい。


             華道専慶流 西阪慶眞




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