いけばな専慶流/タブサンザシ ●2016年12月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞

●花材/

加工素材、サツマスギ、モンステラ、ホーリー、オンシジューム、ヘリコニア、アンスリューム

●花型/

生花(草の花型、内陽流し)

●流線型を楽しむ

 撓めやすい素材なので美しい流れを。

ポイント 
 梅柳にラメを吹き付けた加工素材。想像以上に撓めやすい。そこで、生花の基本である「筋いけ」手法でいけることに。広がった横枝は交差を避け、綺麗な線状美の表出に努めます。
各枝作りは、美しい流れと伸びやかさをテーマに、躍動感をもたせて、派手な形式の人流しに。人は内側に深い曲を描き地の方向に。左前に配すいつもの人は「人添」として扱い、枝先は上方向の曲線を描き、受ける空間を。この広い美しい空間が、内側に流した人の流れを引き出しています。
モンステラを人添と控に。
薩摩杉は少し高めの人の裏添、そして人添、あしらい、見越、中控に。季節の象徴であるホーリーを前後のあしらいに配し、雰囲気を盛り上げます。
アンスリュームを足元で撓めた地と、後方に。
色彩豊かに、黄色い花のオンシジューム、橙色のヘリコニアをプラスして豪華にいけあげていますが、煩雑にならないよう、うまく溶け込ませた影扱いテクニックが荘厳な作品へと繋がって行きます。

メ モ 胴、控を引き締め、メリハリを。


側面図

●花材/

千両、バラ。

●花型/

盛花 複合型

ポイント 
 半木陰で育つ千両。前栽の下草として使われます。下草と書いたが、草類ではなく常緑小低木。市場に出回るのは誘引の手が加えられた栽培もので、茎は真っ直ぐでとても綺麗。しかし自然な味わいがない。これに対し、前栽で育ったものは自由さが備わり、自然な動きがとても面白い。
この自然さが残った素材は店頭でも求めることが出来る。規格外になった格安商品がそれ。一級品では得られない親しみが愉しめます。
大きな水盤に二個の剣山を使い、足元を広げ、葉が固まることを避け、ゆったりいけます。茎の表情、葉と実のコントラストを拾い出します。

水揚げ 水切り


 万両

期待膨らますうねり、師走

 頑張る人を見ると、自然に応援したくなる。分野を問わず頑張る姿は健気で美しく、その姿を見るこちらを「頑張ろう!」「頑張らなきゃ!」と前向きにさせる。頑張る姿は人それぞれ、今夏見たオリンピックのアスリート達の様に目標に向かって、結果を求めて自身の限界に挑み続ける姿、今秋のノーベル賞受賞者の化・科学者の様に、結論、結果の見えない不確かな中で果てしない時間をこつこつと積み重ねる姿等は、同じ分野に向かう者達に勇気と力を与えることは間違いない。しかし、メディア発信で受けとめる一般の人はそれらは自分達からかけ離れた特殊な人達に見え、賞賛は出来ても自身の頑張る力には結びつかない…?と受け止めがち。中には、頑張る姿は見えたとしても、敢えて見せる物ではない!と皮肉っぽく捉える者も当然いるだろう。ただ、身の回りを少し違った思いで見れば、そこに沢山の頑張る姿が溢れているのではないだろうか。もっと言い換えるなら、その度合いに差?はあっても、頑張っていない人はいない…と捉えるのが正解だと。子供が学校へ行く事、専業主婦が日々こなす家庭での仕事、当然社会の中で働く人達…誰も彼も、日々の暮らしの中で、与えられた環境の中でそれぞれになすべき事があり、その姿は皆が向き合っている現実に対して頑張っている姿勢そのもの。多くの人は、乳幼児や命ある生き物の成長を見るとき、その成長段階を目にしながら無条件に可愛い!と言う思いになり、自然に笑顔に成る。何故だろう、乳幼児の発達は、年齢が少ない程急激な変化をする。例えば、誕生したばかりの赤ちゃんの一年間を見るとき、その発達の早さはどうだろう。光に反応し、四肢を使い、言葉を発し、やがて歩き…様々な好奇心で周囲と関わって行く姿、その様々な成長の場面場面で、見る側の私達は心の何処かでガンバレ!と応援しているのでは?、無条件で何でもしてあげたいと言う気持ちで見ているのでは?。

乳幼児の日々はそのまま新たな成長への挑戦、頑張る姿そのもの。同じ様に私達も新たな未知の時と向かい合っているのです。ただ、年齢を積み重ねるに連れ、日々の頑張りは、目に見える程明らかではなく、ともすると現代社会の中で多くの負荷を受けとめる事で、頑張っている事を忘れてしまう…。
 ある意味、今生きていると言う現実は、それだけでこの社会の中で頑張っているのだと、時にはオーバーに自分を褒めても良いと思う。それは子供騙しなどではなく、一人の日々頑張る姿が、きっと見ている、感じている誰かの頑張りに繋がって行く貴重な一人の頑張りになり得ると、私は捉えたい。
 気がつけば師走、慌ただしさの中で、この一年何を…と振り返る時を迎えた。オリンピックに湧き、自然の猛威の前に無力さや大きな悲しみを、見苦しい政治の駆け引きや急激な発展の陰で見て見ぬ振りの負荷が現実問題に。政界、経済界、宗教問題等々世界情勢を混乱に導く様々な現実問題、それらの全てが他人事ではなく今を生きている私達自身が背負わされている問題と捉えるべきでしょう。一人一人に何が出来る?ではなく、一つ一つの小さなな頑張りが、自身を元気に奮い立たせてくれる力になり、その姿が周囲の人の頑張りへと連鎖反応する事によって少しずつ大きな力に成って行く。特別ではなくて良い、今自分が穏やかに元気でいる為のほんの少しの頑張りが、周囲の人の元気に繋がる! 
そんな広くておおらかな目配りを胸に、新しい年に立ちたいと思う。

             華道専慶流 西阪慶眞


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