花模様/専慶流 ●2017年6月1日発行/専慶流いけばな眞樹会主宰・西阪慶眞

ダンチク


●梅雨、もっと好き

ポイント 
高温多湿期に入り水揚げが悪くなってきます。
萎れた花は見苦しく、せっかくのナマ花も台無しです。
深水での水切りと、手際よさはとても重要です。


6月に入り紫陽花の花が色づき始めました。近年はガクアジサイを西欧などで品種改良した品種(ハイドランジャー)が多数出回り、とても明るいイメージが。
作例は東洋系のガクアジサイを使って現代風に。
長くて広がる葉が特徴のダンチクを上部で束ね、紫陽花の淡い花色とメタリックな花器を出合わせることで都会感覚を覗かせています。



●花材/ ダンチク、アジサイ
●花型/ 現代花


●花材/

アーテチョーク、モンステラ
ソングオブインディア

●花型/ 現代花

ポイント 
素材重量があるため物理面と美意識の両面で葛藤が生じるが、手際良い処理を。

 サラダにもよく使われるアーテチョーク(チョウセンアザミ)。食用には蕾を茹で、苞片基部の肉質部分を歯で削り取って食べる。花塊は赤子の頭以上に大きく、重い。いけばなに使う際は異質差を意識した造形趣向扱いがいいでしょう。重量的に剣山だけでは留まらないため花器の形も考慮した全体的バランス検討が必要。

水揚げ 水切りの励行。

アーテチョーク

 いけばな専慶流/ヘメロカリス あじさい

一枚の写真に思いを

 ちょっと薄暗い…、ちょっとお洒落?にセピア調の空間とでも言えば、特別な空間に感じて貰えるだろうか。子供の頃写真館で、三脚に取り付けられた大きな箱に向かって、まるで今のレントゲン撮影の様に、息を止めて…ではないが、それに近い緊張感で云われるままにポーズを取り、瞬きしないで、動かぬ様頑張っていた事を覚えているのでは。一般的には様々な行事の祈りや誕生日等々の記念日に、中には家族で出掛ける度にその記念の一枚として撮っていると云う人も。そう言えば、入学願書等に貼る写真は特に腕が良く仕上がりが良いと評判の写真館を探して撮って貰う人もいた。写真館で撮る写真は決して安価ではない金額を払って、姿勢を正して撮って貰う特別感覚だった。当然、手元に届く写真は、しっかりした台紙に貼られ、いつまでも格調高く撮った人には何にも変えられない貴重な価値ある記録の一枚として大切に保管される事に成る。今となっては撮影から仕上がりまで拘って時間を掛ける一昔前の「写真館」は幻となった。
 下岡蓮杖が横浜に日本初の写真館を開設したのが1862年、既に150年以上の時が流れ、今、かつて生活空間で普通に目にしていた形態の「写真館」の姿は激減。何故?。カメラは高価な機材に加え扱いが難しかったためだが、デジカメの出現とその進化、更には高機能カメラ付き携帯やスマホの普及が、写真は特殊、特別な物と言った概念から、老若男女問わず、誰もが気軽に瞬時に撮影可能、思わぬベストショットに誰もが俄カメラマンに成り得る時代となったのだ。更には気に入らなければその場で何度も撮り直しができ、気に入れば自分で印刷し、またデーターを保存する事によっていつでも、何枚でも、大きさまでも思いのまま手にする事が可能になったからだ。

 では近年の写真館事情はどうだろう。手軽で、安価で、高画質に…写真は自分で撮るもの…と定着した訳でもない。古き時代の技術に拘った写真館は消えたが、フォトスタジオと云う名で新たな展開を迎えている。留まる所を知らない商業魂?、若い世代の親心をくすぐる手法とでも言えば良いのか…子供が成長し、お誕生日は?節句は?と過去を問われた時に応えられる様、どうせ覚えていなのだから、どれも漏らさず画像にさえ残しておけば良いと。ある意味安易なこの思いに、スタジオは様々な特約サービスを付加する事によって、一度使えば成人の日の撮影まで延々と繋がって行ける様なシステムを。こんな話も、中学や高校の入学式の日、校門前で成人式の着付けと写真撮影の予約案内を配る業者が当たり前の様に立ち、それを見て予約する親も居ると云う。まだまだ先の話の様だが、予約した者順に希望の着物が着られ、希望の時間に着付けをして貰えるとなると親心は…。更に、慌ただしい行事当日を避け、前もって先撮りするシステムに成っていると云う。年寄りの…は百も承知で敢えて言いたい。祝う日は本来その日に意味があり、祝い方があり、そこに願いや感動や喜びがあるものだろう。極端な話だが、実体のないスタジオでの証拠写真だけで良し!の感性には違和感が。状況によってはせめて写真1枚だけでも…と望む人が確かに居る事も理解出来る。が、特別な場合を除いて、一枚の画像には、そこに何らかの物語が必ずある、いや、意味がある。祝う事が許される状況なら、見かけだけの一枚の写真よりも、今の時代、出来る事を精一杯してあげ、親が撮る写真で充分なのでは、それが子の心を養うと云う事に繋がるのでは…と相変わらず古い人間の私には思えて成らない。ちなみに、今でも私はいけばな写真はタングステンライトを引っ張り出し、バック紙も設置し、にわかスタジオを作って慎重にシャッターを切っている。私にとって写真は「反面教師」となる。

                華道専慶流 西阪慶眞


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