花模様/専慶流 ●2018年5月1日発行/専慶流いけばな眞樹会主宰・西阪慶眞

●幻想的油彩タッチの現代生花

ポイント 
ギガンジュームの大きな花魂を突き上げるように天、天の裏添に。太い幹をしっかり観察し、緩やかな弓形の「くの字」曲りを立体的に見せます。斑入りシャガを天添、胴、人、あしらい、地に。株のままでいけにくいときは分解して使いますが、根元をバラつかせない事。最後にナデシコをほんの少し、さりげなく、前後に。側面図からその空間構成を読み取って下さい。現代花扱いのため、シャガは葉組みに拘らず、一枚一枚の美しい流れを重視します。

●花材/

スモークツリー、ナツハゼ、鉄砲ユリ、ミニバラ

●花器/

ガラス花器

●花材/

ベニシタン、洋菊、カザリシダ

●花器/

創作花器


ポイント 
 ベニシタン(紅紫檀) 中国原産のバラ科小低木。盆栽仕立ては古くから知られ、低い庭木にも。枝葉水平に伸ばし、葉は互生。5月頃紅赤色の小さな花を枝に沿って多数咲かせる。果実は秋に紅色に。少しなら矯める事可能。

ここでは水平に流れる自然の姿をそのままに、不安定な変形花器を採用することで素材の特徴を強く引き出している。このような花器では素材の重量で作品その物が倒れるので、配材を含め、全体バランスをしっかり計算する事が重要。

水揚げ 水切りで対応します。



  バラ

そばにある小さないのち

 春から夏への移ろい、様々な花が咲き誇り、新緑の美しさに命の勢いを感じる季節。庭先に、いつも通る道に、近所の軒先にどんな花が咲いているだろうか…。残念ながら、何年も同じ場所を往き来していてさえ、そこに咲く花に気づかずにいる人も。信じがたい話だが数年以上も毎日通い慣れた道、教えられるまでその真下を日々歩いていながら、少し目を上げれば見えたはずのあの大きな泰山木の花にさえ気づかなかったと言う人もいた。文明の発達、急速な近代化の中で人の心も価値観も多様化する現代社会、決してこの人が特別なのでは無いのかもしれない。余裕のなさ、興味のなさ、時には、それを知っている事の意味は?と反対に問われかねない…。自分にとってそれがどれ程の意味を持っているかの価値観次第で物事を捉える事が、既に特別な感覚では無くなっている様にも思える。
 一方、「花一輪」の存在にホッと心動かされた経験はないだろうか。特別に飾られた花でなくても良い、たまたま歩く道で見かけた小さな紫色の野のすみれや黄色のタンポポ、昔から誰の目にも留まってきた、その名は知らない雑草の花が、荒れ地や路肩、時にはアスファルトの割れ目等あり得ない場所で咲く健気な姿を目にした瞬間、心がホッと穏やかになると言うか、肩の力が抜けて頬が緩むと言うか…、そんな経験が年齢にかかわらず誰にもあるのでは。それは人工ではなく、どこまでも自然の営み、命の重みが造り出した美しさだからこそなのだとは捉えられないだろうか。

 自宅に生けてあった稽古花、綺麗な時を過ぎ片付けを…その花材の中にあった葉物をまだ元気だからと透明の細いガラス容器に移し、陽の当たらない蛍光灯の明かりがメインのカウンターに。肥料を与えるわけではなく、元気だから水は切らさず、時折水の取り替え。元気な間は…縁あって手元に来た花材だから最後まで見届けて…といういつもの思いに始まった付き合い?。いつしか根が生え、伸び、新しい葉が枝が…。そして4年目、長期留守後の帰宅時、予想もしていなかったゴッドセフィアーナの可憐な花との出会いに言葉にならない感動を。そして、それから更に4年目の今年、様々なことに憂える日々の中、再びは無いと思っていた新な開花に出会えた感動は、一度目以上だった、と喜びの便りが届いた。
 この感動の瞬間は、「命あるもの、その命を大切に…」ただそれを思っての行動の結果であり、望んで得たものではない。人の心を動かし、人の心を癒すのは「人の命への思い遣り、優しさ」が、小さな命の維持に繋がり、その営みの先に奇跡とも思える開花を。そこには理屈ではない、相互の目に見えないつよい強い繋がりが存在していた…のでは。人も、動物も、植物も…命あるものは全て個の存在ではなく、様々な環境の中での共存、共生有ってこそではないだろうか。

          

                華道専慶流 西阪慶眞


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