専慶流 ●2019年2月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
●花材/ サクラ、ツバキ
●花型/ 生花(本勝手行の花型)

植物to心通わす

ポイント 
 天、人、地の三才格を特徴とする生花様式。形が決まっていて生けるのは簡単と思う向きもあるが、与えられた素材の特徴、良さを何処まで有効に導き出せたかと云う視点に立つと、決して容易ではない。曲がった枝があっても大抵の場合意に反した曲りであったり、箇所が違うことの方が大半。幹が太すぎたりその逆であったり、素材を生かすどころか、花型に合わす事すら不可能?って考え込む。そうこうしている内に枝の表裏さえも無視して使ってしまう。こんな経験をした人は多いはず。

生ける手順はこうだ。
まず、静かに花に向き合い(無の境地で眺め)、素材の美しさの本質を見いだす。
例えばクロメヤナギであれば、黒芽の付き方、なめらかで、スラッとした優しい茎の流れがこの素材の魅力だと認識。だから短い横枝はカット、茎が太すぎるものは目立たない場所に。柔らかい流れが今回のキーワードと受け止める。
そして配材のアマリリスは人添から地にかけての配置とし、全体のバランスと穏やかな春の予感を生けあげていく。

自然の流れを優雅に

 
 

 

●花材/ ボケ、ワアビスケ
●花器/ 大津寄花堂作


 
  フキノトウ

風土と性格

 人の思いやり、優しさは万国共通…思えばそんな当たり前の事も忘れがちに…。こんな話を耳にし、その一連の光景を思い浮かべ、少し年配の日本人と、どちらが若いとも言えない初老の金髪女性の細やかな心暖まる交流?とでも言えば良いだろうか、きょとんとした顔で向き合っているほのぼのとした姿が想像でき、一瞬頬緩む思いになった。京都駅から乗車した知人だが、押し合い圧し合いと云うほどの乗客数でもなく、その時は座れないことを苦に思うことも無く自然につり革に手を出しかけたその瞬間、スッと目の前に座っていた人が席を立ったのだと云う。どうかしたのかと一瞬戸惑っていると、
「どうぞ」と云う仕草。席を譲ってくれたのだ。残念だが言葉は通じず会話は出来ない。しかし、二人の間にはその一瞬にも微笑みや、感謝を込めた会釈があり、それはきっと、両者の心に心地好い記憶として残ったに違いない。
 私達には「おもてなし」と云う行為ではないが、困っていたら助けてあげたい、そんな思いが常にある。ただ、言葉も通じないのに…と思うだろうが、「困ったときには藁をもつかむ」と言った感覚があり、立場が代われば無謀にも何とかしてあげられればと、手を貸してあげようと動くのでは…。 時にそれは考えての行動ではなく多分無意識の反射的行動、そしてこれこそが人としての思いやり、優しさなのでは。

 海外から多くの観光客が訪れている京都。その多さに静かな佇まいの古都…のはずが溢れる人の多さに魅力半減と云う観光客と、マナー違反に頭を抱える迎える側。文化の違い、価値観の違い等々両者の思いを一挙に解決することは困難。だからと互いに不平不満をぶつけ合っても良い方へ向かうことはない。どちらの国が、どちらの立場がではなく、この一連の縁のように、互いへの、優しさや労りや思いやりと言った本来人として誰もがもっているものを忘れず、人との交わりを大切にし、未来を担う子供達に自らの行動で伝えて行くべきものでは…。
 発達した情報社会に生活する私達は、幸か不幸かこちらの意思に関係なく溢れ来る様々なニュースに出会い、時には感動に心高揚し、時には知らぬ間に事件に巻き込まれることも他人事ではなく現実に起こっている。日々届く目を耳を覆いたくなる凶悪な、悲惨なニュースや、人道を無視した国家間の駆け引き、権力闘争…様々な心痛むニュースは、人の心の荒びというか、国の違い、文化の違いではなく、全ての人に本来あったはずの人間らしさが、慌ただしさのなかで二の次に…。マイナス要素のニュースが大半を占め心萎えそうな現実だが、一人の優しさが連鎖反応を起こし、少しずつ広がって行くと信じ、自分らしさと向き合って行きたいもの。

               華道専慶流 西阪慶眞


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