●2019年9月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞

●花材/コブシ、モンステラ、クジャクソウ、アレカヤシ
●花型/西阪慶眞作創作花器

●深く流す

 




ポイント


変わった形の実は「コブシ」。モクレンに似た花を3月〜4月に咲かせ、
蕾は鎮痛剤に、花つきは豊凶の占いに。
9月中旬ごろ、子供の握りこぶしに似た実は紅く色付く。自由奔放な幹
と実の表情は滑稽でもあり、枝の大きなうねりを軽妙に捉えたい。配材
は和洋どちらでも調和する。ここでは二種の緑と孔雀草の集合花で引き
締めている。

水揚げ 水切り


●花材/ボケの実、タニワタリ、ユリ
●花器/深鉢創作花器


9月の声を聞くと一気に自然界も活気を取り戻し、豊かな実りや葉の色合いにも深みが増し、庭に出て植物達と戯れる歓びが五感を擽る。いけばなを愉しむ者にとって、たとえ名も知らぬ雑草であっても、新鮮な出会いに、見入る事がしばしばで、今でも新発見する事も。花だけでなく、秋季は様々な
「実」ものがオモシロイ。

ポイント 

水揚げ 水切り

   

 

心の会話

 私達には、向き合う相手との間に、互いの意思を伝え合う「言葉」がある。特別な講演や執筆等々仕事として用いる場合は別として、日常生活を営む中で言葉を交わし使うことは当たり前のことであり、特別意識している人はいないだろう。そう、何気なく使っている言葉の行き来がスムーズに流れるのは、相手を知っている度合いに合わせ無意識に言葉が選ばれており、通常は違和感なく受け止められ、無理の無い言葉のキャッチボールが可能になっているからだろう。
 しかし、口は災いの元…と言われるように、本来言葉は意思の疎通を図るためには、何よりも簡単な手段だが、反面、あらぬ誤解を生み出しかねないのも確か。ましてや世界の国々には様々な言葉があり、我が国でさえ様々な地域には、地元特有の言葉が存在する。解らない言語、理解できない言葉、地域独特の語意等々、そんな言葉の垣根を越えて繋がり合う為に必要な物は何だろう。怒りながら、感情の無いただの羅列、相手を気遣って、正直な心のままに…等々、ひとつの言葉であっても、その発し方ひとつで、受け止める側に様々な感情を抱かせてしまう。その結果、時にはとんでもなく違った方向へ導いてしまうことがある。文字で綴る場合は尚更に、文面から真意を受け止めてもらうための語彙力、文章力?が問題にもなる。ほんの一言が、突然積み重ねてきた時間をゼロに、時にはマイナスへと影響してしまいかねない。当たり前に話している言葉が、文字が時にとんでもない結果へと流れ、取り返しのつかない事に…一部の様々な時事問題にその思いが及ぶ。

 人は自分本意、自己中心的に成り勝ち。何が正しくて、何が間違っているのか…思えば思うほど、人と向き合うとき、思い込みや偏見、人の意に流されず、向き合う人への思い遣りや優しさを持って、可能な限り相手の思いを理解する努力を惜しまず接することが、人を理解する為だけでなく、人に自分を理解してもらう為にも必要なことではないだろうか。一方的に相手を責めて攻撃する前に、例え時間が掛かっても互いに理解し合う努力を…誰もがそう望んでいても現実はそう簡単には行かない。だからと言って、諦めては何も変わらない。一人一人の思いが、大きな力に成って行くことを疑わずにいたい。
 無差別テロ!人のなせる行為ではない!地元で起きた京都アニメーションの余りにも悲惨な事件や、穏やかではない近隣諸国や諸外国等々の不穏な流れ…そんな重苦しい日々の中、「スマイルシンデレラ」のニュースが飛び込んできた。名付けたのは海外メディア、言葉も通じない二十歳の女子プロゴルファーの笑顔が、人々の心に響き、優勝前から人気者に。彼女の有りのままの素直な行動、溢れる自然な笑顔が、回りにいる人々の心まで幸せな、穏やかな、暖かな気持ちにさせたのだ。
 今、人と人を繋ぐために必要なものは、慌ただしい現代社会の中で皆が忘れがちな、「自然に笑える心のゆとり、素直であること、自分らしくあること、そして正直であること」だと証明してくれた? 笑顔で交わす言葉が持つエネルギーを誰もが感じたのでは。彼女の笑顔につられてふと笑顔に…、怒る人はいない。

             華道専慶流 西阪慶眞

 


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