ガーディニングが誌上を飾り、若者にも人気が集まっている。
ベランダや裏庭をカラフルな色でうめつくそうと、園芸店で見つけてきたとっておきの苗や種を傍に、すでに頭のなかは立派に咲き誇った光景を描きながら、手にするスコップ作業も軽やかとなる。
準備する最も大切なのが「用土」。街中ではコンクリートで塗り固められていることから土も園芸店で購入する事になるが、種類が多数あって戸惑う。あらかじめ肥料を混ぜたものや、アルカリ、酸性の区別があったり、重い土、軽い土、粒子の大きさなど多種多様。
肥料や殺虫剤、薬剤選びはさらに難しい。結局、店員の奨めに従ったり、セットになった商品を購入することになる。説明書に従えばまるでプラモデル感覚で「失敗なく花を咲かせる」ノウハウがパックされ、手軽だという。
パソコンに動物を飼育するソフトがあるが、今やガーディニングも同一レベルで捉えていて、決められた手順に水や餌をやる、その手順の中に夢を描いているのだろう。
確かにこうしたガーディニングが、多忙でストレス溜まる時代にほっと一息入れる気分転換の対象となればそれにこしたことはないだろう。でも私はあえて提案したい。育てるのはゲームでもなければ、お金で買うものもでなく、心が最大の肥料となる事を知ってほしいのです。子育てとまったく同様、親の心がそのまま子供に反映するのです。水、肥料のやり過ぎなど過保護は良い結果をまねかないのは当然で、日々の推移を見守り、状況を正確につかむ事が大切なのです。