(山吹・京都松尾神社)
ポリシーミックス
例年にない異常な高温で桜の開花は一気に進み、イベント関係者を慌てさせたようだが、いけばな素材選びでは日頃から天候には敏感でなければいけない。とくに木ものは前年の気温、雨量が大きく影響し、花付きや実のなり方が大幅に異なるのです。それにしても桜は眺めているだけで心躍る気分にさせてくれたり、春の使者として、私達にさまざまなメッセージを届けてくれます。
話は変わるが、マッキントッシュ(アップルコンピュータ)の価格が突然値上げされた。この業界では「値下げ」が常識だっただけに、これは異例の出来事。この不況下で、しかも傾いている社命をかけて打って出た「新型アイマック」発売まもない時期、この価格改正はまさに寝耳に水と言った印象が強い。起死回生を願っているのは会社だけでなく、シェア拡大は愛用者がかねてより強く願っていたことであり、価格改正がこの人気上昇機運に暗い影響を及ぼさなければいいがと、不安をいだく。
実はこの機種、一般ユーザーを対象に開発されたものだが、中身は最先端の高性能を備え、グラフィック関係者の専門的扱いにも充分に対応できる代物。もう一つの特徴はど肝をぬく奇抜なデザイン。お椀を伏せたような半円形が本体で、コンピュータとはおよそ縁のない斬新さ。その可愛い半円球から一本のアームが伸びて、可動式高画質の液晶モニターが取り付けられている。とてもシンプルでお洒落。この目新しい形が発表と同時に人気を集め、インテリア感覚で店舗や自室にも置きたいと考える人達が予約に殺到したという。
考えてみればマックは設立当初から新鮮なデザイン、独自性ある高機能が売りで、自社開発能力の高さには定評がある。テレビドラマに使われる小道具の大半がマックであり、春に発売されたばかりの新機種は、早々、とあるコマーシャルの小道具に使われているほど何時の時代にも人気の的となってきた。
そんな人気ものでありながら一方のウインドウズに完全にシェアーを奪われているのが不思議なほど。どの業界でも同じだが、必ずしも独創派が売れ筋であるとは限らない好例であろう。価格面での「割高感」と、「専門機器」だとの認識錯誤が最大のネックになっているのに違いない。使えば使うほどマックの心地よい直感性機能の高さに軍配が挙がるのは明白なのだが、その良さに気付かせる機会が少ないのは残念でしかたない。
私はすでに6台を買い換えて今日に至っているが、当然の事ながらマック派。これから始める人、買い換える方はこの機会に是非マックを視野に入れた検討をされることを心からお薦めしたい(少し高目が気にくわないが、それだけの見返りと感動を手にすることが出来ますよ!)。
華道専慶流 西阪慶眞