花材/ブルビネラ、フリージヤ、天文草、ゴッドセフィアーナ、ゴールドスティック、スイトピー ポイント 同色系の多種挿し現代生花。多くの種類を混ぜ合わせると煩雑になりやすいので、いける前に十分な検討が必要で、解け合いから生じる新しい息吹を吸い上げたい。ブルビネラ、フリージヤの茎で伸びやかな空間を構成し、ゴッドセフィアーナの葉で引き締めている。足元や胴の部分を広げないように。
花材/ブルビネラ、フリージヤ、天文草、ゴッドセフィアーナ、ゴールドスティック、スイトピー
ポイント 同色系の多種挿し現代生花。多くの種類を混ぜ合わせると煩雑になりやすいので、いける前に十分な検討が必要で、解け合いから生じる新しい息吹を吸い上げたい。ブルビネラ、フリージヤの茎で伸びやかな空間を構成し、ゴッドセフィアーナの葉で引き締めている。足元や胴の部分を広げないように。
花材/紅がしわ、ライラック、カーネーション ポイント 上記作例のライラックは以前稽古に使った材料を挿し木しておいたもので、今では3メートルを超えるほどに成長、毎年4月中旬頃になるとまるで雪が積もっているように幹全体を純白に染めます。花は前年枝の若い枝に付けることから幹は真っ直ぐが多く、表情豊かな枝振りではない。従って、扱いはどうしてもマッス的になりがちです。そこで、作例では横長花器を使い、幹を左右に配すことで動きをつけています。 また、紅がしわも直線的素材のため、少し傾斜させ、ライラックとの調和をもたせています。カーネーションも上記素材に融合するよう左右の動きで色を配しています。
花材/紅がしわ、ライラック、カーネーション
ポイント 上記作例のライラックは以前稽古に使った材料を挿し木しておいたもので、今では3メートルを超えるほどに成長、毎年4月中旬頃になるとまるで雪が積もっているように幹全体を純白に染めます。花は前年枝の若い枝に付けることから幹は真っ直ぐが多く、表情豊かな枝振りではない。従って、扱いはどうしてもマッス的になりがちです。そこで、作例では横長花器を使い、幹を左右に配すことで動きをつけています。 また、紅がしわも直線的素材のため、少し傾斜させ、ライラックとの調和をもたせています。カーネーションも上記素材に融合するよう左右の動きで色を配しています。
花が招く潜在意識の発掘 「花ですか、良いですね…」と声を掛けてきたのは、定年を迎え、再就職をして半年になる初老の男性だった。お稽古帰りの花包みを持っていた事がきっかけとなった電車内でのこと。彼はある会社の警備をしており、勤務者や来訪者等のチェックをしたり社内警備が仕事。ある日、百円ショップでふと目に留まった一輪挿しを購入。それまで一人で行く事のなかった花屋に立ち寄り、ほんの少しの花を自分の好みで選び、翌日職場に飾ったというのです。花の心得があるわけでも、それまでの生活の中で花に関わることもなかったと言う彼が思いつきで始めた自己満足の花空間。しかし 今ではそのほんの少しの花の存在が、人と人の出会い、交わりに大きな力を発揮しているというのです。無味乾燥としていた警備窓口空間に置いた花が、思ってもいなかった効果を…。 出勤・退社時に日々顔を合わせながら、事務的、機械的にすれ違ってゆく人、また、来訪者や、時折すれ違う業者の緊張した営業用?の顔や人格。時には同じ仕事をしていながら、何故か心許せず敬遠したくなるような同僚…、そんな様々な人達に、花を飾り初めて間もなくいろんな変化が現れ始めたと言うのです。 花って良いですね、綺麗ですね、この花は何ですか?…と。それまではこちらが挨拶をしても気付いているのか、無視しているのか、反応もなく目の前を行き来していた人達の足が止まるようになり「次はどんな花が入るのか楽しみ」と笑顔で声を掛けてくれるようになったと言うのです。 今では、花が縁で色々な話しに花が咲くこともあるとか。また自分自身も大きく変わったと言います。今度は何を入れようか?、たまには花瓶も替えてみようか?、どんな風に入れようかなど考えるとわくわくするのだと。花など気にもしていなかったのに今では花屋の花だけではなく、軒先や道端の草花が自然に目にとまり、また、何気なく置かれている花器にまで目が行くのだとか。二月には梅を、雛祭りには桃の花に雛あられを添えて、できるだけ忘れかけている日本の四季を感じてもらえる花を挿してゆきたいと自分の花に対する思いを語ってくれました。 彼は言います、私にはいけばなの心得も知識もない。ただ自分が楽しめればそれで十分だった小さな花空間が予想もしなかった反響を呼び、様々な人と人を結び、穏やかな人間関係を築いてくれている事が、今はとても嬉しい。花屋の店先にも季節感が失われ、人の記憶にも四季が失われてゆく現代社会、せめて一輪の花であっても、そこに確かな季節を感じる空間にしたいと思っている、と穏やかに微笑んで話す男性の顔がとても印象的だった。 花に向かう純粋な彼の姿勢は、私自身の花に向かう心をも反省させられる思いがした….ある社中の便りからでした。 このようなホットするお話は沢山耳にします。各家庭でのお花の復活、特に子供さんが小さいお宅では是非とも実現してほしいものです。言葉には代えられないお母さんの心を、愛のキューピットは緩やかに包みこみ、知らず知らずのうちに自然の恵み、豊かさ、美意識、いたわりなど精神面をも高めていくものなのです。 四月は野山にお花が咲き競う季節です。心静かに眺めて下さい、その表情の豊かさに驚かされるはずです。HPでは花情報も掲載しています。 専慶流いけばな真樹会主宰 西阪慶眞
花が招く潜在意識の発掘 「花ですか、良いですね…」と声を掛けてきたのは、定年を迎え、再就職をして半年になる初老の男性だった。お稽古帰りの花包みを持っていた事がきっかけとなった電車内でのこと。彼はある会社の警備をしており、勤務者や来訪者等のチェックをしたり社内警備が仕事。ある日、百円ショップでふと目に留まった一輪挿しを購入。それまで一人で行く事のなかった花屋に立ち寄り、ほんの少しの花を自分の好みで選び、翌日職場に飾ったというのです。花の心得があるわけでも、それまでの生活の中で花に関わることもなかったと言う彼が思いつきで始めた自己満足の花空間。しかし 今ではそのほんの少しの花の存在が、人と人の出会い、交わりに大きな力を発揮しているというのです。無味乾燥としていた警備窓口空間に置いた花が、思ってもいなかった効果を…。 出勤・退社時に日々顔を合わせながら、事務的、機械的にすれ違ってゆく人、また、来訪者や、時折すれ違う業者の緊張した営業用?の顔や人格。時には同じ仕事をしていながら、何故か心許せず敬遠したくなるような同僚…、そんな様々な人達に、花を飾り初めて間もなくいろんな変化が現れ始めたと言うのです。 花って良いですね、綺麗ですね、この花は何ですか?…と。それまではこちらが挨拶をしても気付いているのか、無視しているのか、反応もなく目の前を行き来していた人達の足が止まるようになり「次はどんな花が入るのか楽しみ」と笑顔で声を掛けてくれるようになったと言うのです。 今では、花が縁で色々な話しに花が咲くこともあるとか。また自分自身も大きく変わったと言います。今度は何を入れようか?、たまには花瓶も替えてみようか?、どんな風に入れようかなど考えるとわくわくするのだと。花など気にもしていなかったのに今では花屋の花だけではなく、軒先や道端の草花が自然に目にとまり、また、何気なく置かれている花器にまで目が行くのだとか。二月には梅を、雛祭りには桃の花に雛あられを添えて、できるだけ忘れかけている日本の四季を感じてもらえる花を挿してゆきたいと自分の花に対する思いを語ってくれました。 彼は言います、私にはいけばなの心得も知識もない。ただ自分が楽しめればそれで十分だった小さな花空間が予想もしなかった反響を呼び、様々な人と人を結び、穏やかな人間関係を築いてくれている事が、今はとても嬉しい。花屋の店先にも季節感が失われ、人の記憶にも四季が失われてゆく現代社会、せめて一輪の花であっても、そこに確かな季節を感じる空間にしたいと思っている、と穏やかに微笑んで話す男性の顔がとても印象的だった。 花に向かう純粋な彼の姿勢は、私自身の花に向かう心をも反省させられる思いがした….ある社中の便りからでした。 このようなホットするお話は沢山耳にします。各家庭でのお花の復活、特に子供さんが小さいお宅では是非とも実現してほしいものです。言葉には代えられないお母さんの心を、愛のキューピットは緩やかに包みこみ、知らず知らずのうちに自然の恵み、豊かさ、美意識、いたわりなど精神面をも高めていくものなのです。 四月は野山にお花が咲き競う季節です。心静かに眺めて下さい、その表情の豊かさに驚かされるはずです。HPでは花情報も掲載しています。
花が招く潜在意識の発掘
「花ですか、良いですね…」と声を掛けてきたのは、定年を迎え、再就職をして半年になる初老の男性だった。お稽古帰りの花包みを持っていた事がきっかけとなった電車内でのこと。彼はある会社の警備をしており、勤務者や来訪者等のチェックをしたり社内警備が仕事。ある日、百円ショップでふと目に留まった一輪挿しを購入。それまで一人で行く事のなかった花屋に立ち寄り、ほんの少しの花を自分の好みで選び、翌日職場に飾ったというのです。花の心得があるわけでも、それまでの生活の中で花に関わることもなかったと言う彼が思いつきで始めた自己満足の花空間。しかし 今ではそのほんの少しの花の存在が、人と人の出会い、交わりに大きな力を発揮しているというのです。無味乾燥としていた警備窓口空間に置いた花が、思ってもいなかった効果を…。 出勤・退社時に日々顔を合わせながら、事務的、機械的にすれ違ってゆく人、また、来訪者や、時折すれ違う業者の緊張した営業用?の顔や人格。時には同じ仕事をしていながら、何故か心許せず敬遠したくなるような同僚…、そんな様々な人達に、花を飾り初めて間もなくいろんな変化が現れ始めたと言うのです。 花って良いですね、綺麗ですね、この花は何ですか?…と。それまではこちらが挨拶をしても気付いているのか、無視しているのか、反応もなく目の前を行き来していた人達の足が止まるようになり「次はどんな花が入るのか楽しみ」と笑顔で声を掛けてくれるようになったと言うのです。 今では、花が縁で色々な話しに花が咲くこともあるとか。また自分自身も大きく変わったと言います。今度は何を入れようか?、たまには花瓶も替えてみようか?、どんな風に入れようかなど考えるとわくわくするのだと。花など気にもしていなかったのに今では花屋の花だけではなく、軒先や道端の草花が自然に目にとまり、また、何気なく置かれている花器にまで目が行くのだとか。二月には梅を、雛祭りには桃の花に雛あられを添えて、できるだけ忘れかけている日本の四季を感じてもらえる花を挿してゆきたいと自分の花に対する思いを語ってくれました。 彼は言います、私にはいけばなの心得も知識もない。ただ自分が楽しめればそれで十分だった小さな花空間が予想もしなかった反響を呼び、様々な人と人を結び、穏やかな人間関係を築いてくれている事が、今はとても嬉しい。花屋の店先にも季節感が失われ、人の記憶にも四季が失われてゆく現代社会、せめて一輪の花であっても、そこに確かな季節を感じる空間にしたいと思っている、と穏やかに微笑んで話す男性の顔がとても印象的だった。 花に向かう純粋な彼の姿勢は、私自身の花に向かう心をも反省させられる思いがした….ある社中の便りからでした。 このようなホットするお話は沢山耳にします。各家庭でのお花の復活、特に子供さんが小さいお宅では是非とも実現してほしいものです。言葉には代えられないお母さんの心を、愛のキューピットは緩やかに包みこみ、知らず知らずのうちに自然の恵み、豊かさ、美意識、いたわりなど精神面をも高めていくものなのです。 四月は野山にお花が咲き競う季節です。心静かに眺めて下さい、その表情の豊かさに驚かされるはずです。HPでは花情報も掲載しています。
専慶流いけばな真樹会主宰 西阪慶眞