●2005年10月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞 |
花材/コスモス一種 |
踏まれても踏まれても立ち上がる強靱な性質とは裏腹にとても可憐な表情を投げかけるコスモス。青空を背景にかすかな風にもゆったりとなびく様は秋の代表的光景です。作例の材料は畑からもらって来たもので、自然の曲がりや花向きに気を配りながら野性的な趣きを大切にいけたもの。 コスモスの葉は沢山付いていると繁雑になるので必ず整理しましょう。まず大きく、汚いものを取ります。そしてバランスを見ながらさらに不要な葉を取っていき、最終的にはほんの少し残す程度になります。 花の方向は同一方向にすると表情が出ません。かと云って自由奔放では清楚さが損なわれますので、逆らう向きに扱う場所、高さは十分に吟味し、豊かな表情をねらいます。 花屋さんに出回る素材は茎が太く、真っ直ぐなものが大半ですが、畑や、自家栽培ものは雨風にうたれて曲がっている事が多いものです。この曲がりを効果的に生かす事が今回のポイントとなります。 |
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苦難の美学
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