2005年3月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
専慶流・コデマリ
花材/コデマリ、チューリップ、フリージヤ、シャガ
花器/カナリアイエロー釉コンポート


 しなやかに流れる枝のたわみを優雅に見せる、これがコデマリ最重要ポイント。垂れ下がる曲りを生花様式に融けこますのは容易ではないが、立ち上がる姿を保ちつつ曲を見せるのです。しまりある枝、横枝をうまく使う事。春を先がけた明るい素材を組み合わせ、一足早い春をうたいあげます。
 チューリップの葉は案外弱いもので、良くない場合があります。ここではそのチューリップの葉の交え葉としてシャガを使っています。セロームなどでもよろしいが軽快な扱いをします。

花材/コーワニ、ゴッドセフィアーナ、ベアーグラス、アネモネ、スイトピー
花器/黄釉創作花器


 華やかに躍動感をただよわせた春の色彩現代花です。
 茎の曲がりをいかせたコーワニを上部に入れ、ゴッドセフィアーナの葉で引き締めます。アネモネ、スイトピーの色はなるべく混ぜあわせ、色彩豊かに配分します。ベアーグラスは二つのグループに輪ゴムで根元を留め、左右対照的に添えます。葉先は床に触れてもよく、円形に創ります。
 現代花器では剣山が使えない場合が多く、いわゆる「投入手法」で固定させます。作例では剣山を入れていますが器が深いため上部のコーワニ2本を立てるのに使う程度で他はすべて投入手法で、器の壁にあてて留めています。
専慶流・コワニー
 

もったいない…日本の心

 合理化の裏に潜む「もったいない」という言葉、「粗末にすると罰が当たる」などと脅され、やがて、自分が親の立場となってからは子供にも生活の中で何度も発してきた台詞だ。一番記憶に残っているのは、ご飯を食べた後、茶碗の中にご飯粒を残してはいけない、一粒のお米を作るためにどれほど多くの人々が苦労をして来たのか、感謝しないといけないよ…と。
 現代では、コンビニなどにおにぎりや弁当がズラリと並ぶ。しかし売れ残ったナマ物は一定時間が経つと容赦なくゴミ箱行き。また、造りなど生鮮食品を買い物に行くと全て舟に乗せてあったり、プラスチックケースに綺麗に並べてあり、消費者は家に帰ると中味以外はゴミ箱に。晩酌のアルミ缶ビール、飲料水のペットポトル等々、日々ゴミ生産の暮らしである。
 我々の暮らしは「浪費生活」、それが今では当たり前。はたしてこんな社会に生きる子供達に「もったいない」と言う教育は出来るのだろうか。恒久的な商品であっても飽きてしまえばあっさり処分。ドイツ、スエーデンなど北欧では家具は何代にも渡って大切に使う。勿論その家具は張りぼてではなく本物の木材で丁寧に作られている。デザインはシンプル且つ洗練されており、機能面にも工夫がされているから飽きもこない。思い出したが、ポッドと云う石油ストーブがあった。日本製品のように毎年のようにデザインが変わる事はなく、無論、着火部分の「芯」も長年同じ。だから交換時に難しい品番と照合する必要もなく、何時でもすぐに手に入る。
 1997年、京都に於いて温室効果ガス排出量の削減決議がなされ、世界140ヶ国以上の賛同を得て、今年2月16日発効された。日本に住む私達の誰もが、本気でエネルギーカットに取り組まなければ実現出来ない削減数値だが、この事でクリーンな地球を孫の代に受け渡す事ができ、そして、各家庭内で「もったいない」「感謝」の心が甦ればこんな素晴らしい事はない。本来価値観や躾とは そう言った日々の生活の中で親から子へと無理なく自然に伝え続けて行くものなのだろうと、改めて思う。
 この『もったいない』と言う日本語を、今世界中に広めたいという女性の存在をニュースで知った。昨年12月環境分野で初めてのノーベル平和賞を受賞したケニア副環境相、ワンガリ・マータイさん(64)。彼女は、日本が資源を有効活用し、ゴミの量を減らすと言う循環型社会を呼びかけている、リデュース(ゴミ減量)・リユース(再使用)・リサイクル(再利用)の3R運動を好評価。『世界では資源争奪の為に紛争が起きているが、資源を有効に使えば、平和になる。その精神は日本の「もったいない」という一言に集約されている。』と言っている。
 温暖化現象は、文明の発達による浪費産物。今限りある自然との共存の為にたとえ小さくとも一本の木を植える事の大切さ、自然界での共栄を一人一人が認識を新たにし、一日でも早く「もったいない」の発祥の地である日本を誇れるよう、自分に出来る事から取り組むべきなのだろう。感謝の心を底辺に各家庭の消費エネルギーを15〜20パーセントカット、これがノルマなのです。モノを大切に扱ういけばなの基本姿勢は今後ますます評価されるに違いありません。

                            専慶流いけばな真樹会主宰 西阪慶眞


慶眞のいけばな教室案内

■専慶流真樹会本部/近鉄三山木駅西5分 TEL 0774-63-1785

■専慶会館/京阪、近鉄桃山駅東1分 TEL 075-612-2076

その他お問い合わせ下さい


花模様表紙に戻る
 通信特別レッスン開設

トップに戻る 春夏秋冬 花材別検索 通信教授 専慶流って? 取り合わせ 水揚げ 花言葉 様式 
テクニック
 リンク 花壁紙 関西の花情報 教室案内 WEBいけばな講座