新生日本丸の船出、さてその舵は何処へ。「政権交代」を押し出した民主党の歴史的大勝、それは、善くも悪しくもマンネリ化した政治への国民の審判。では、新たに動き出した新政権、どのような形で私達の生活向上、マニフェスト実現を図ってくれるのだろうか。
全てのものは、その見方、見る方向、見る人によってまるで違った物に見える。善し悪しの判断も同じで、例えば今回の無駄を省く為に八ッ場ダム建設中止・子供手当給付・高速道路の無料化…ダム建設決定で過去に涙ながらに苦渋の選択を強いられた多くの住民の思い、子供の居ない家庭の不満、渋滞や排気ガスによる環境汚染への影響は…等々、連日報道されるニュースにも必ず相反する意見がそこには登場する。その全てにおいて答えは決して一つでは無く、だからこそ、様々な立場での様々な思いに導き出される多くの意見の出し合いが、より良い決定を導き出してくれるのであろう。本音で会話する事の大切さがそこにはある。こんな事は言っても…と諦めず発言する事が新たな発想を生み出す大きな糸口に…。表裏一体、掲げる公約はそれぞれ違っているが、結果として目指しているのは、どちらも私達国民が平和で穏やかな生活がおくれる社会を築いて行く事…であるはず。 |
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今回の政権交代、身近で一番変わった事は、主婦の立ち話、職場の休憩時間、小さな会議の合間…様々な場所で、老若男女を問わず誰もが政治を語っていることである。時には批判であったり同調であったり、政治が一気に国民目線になったことの証であろう。
先日、大きな画像が三枚掲載されたある新聞のトップ記事が目に飛び込んで来た。中央アジアのアラル海を2000年、2008年、今年のいずれも八月中旬に地球観測衛星がとらえた画像だ。かつては琵琶湖の約1000倍(68000平方キロ)に相当する世界第4位の面積を持った湖だったらしいが、現在の面積は最大時の二割以下に成ってしまっているという。画像から訴えてくる現実は衝撃だった。干上がったことで、周辺地域では砂じんによる呼吸器障害等の患者が多発しているとか。これが自然災害のもたらした結果ならまだ諦めも付くが、原因が明らかにエゴが起因するとなると、この先地球は…と思わずにはいられない。偶然目にしたこのニュースは、決してここだけでは無く、地球上の様々な場所で、今この瞬間にも起こっている現象。自分たちの手で壊して来た自然。その修復は想像も付かない耐えの作業とは言え、急務である。
華道専慶流 西阪慶眞
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