●2010年2月1日発行/専慶流いけばな眞樹会主宰・西阪慶眞 | ||||||||||
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あれから十五年。そうだ、十年を迎えた頃だっただろうか、「私、生きて良かったの?」、心に負った悲しみと戦う人達がいる事を知り、この場に取り上げた事もあった。震災で失われた尊い命への悲しい思い、生かされた命のあり方を考えさせられたからだった。そのきっかけは、報道と言う立場に在った人達が、震災後の人々の取材を通して様々な苦しみを抱えて生きている人々を知り、生かされた命を、もっと堂々と生きて欲しい、生かされた命を大切にして欲しい…と言う思いで取り組んだものだった。そして今年もまた報道の、違った角度から当時の震災を振り返るドラマが放映された。悲惨で壮絶な現場で、現状をいち早く人々に知らせるべく奔走する報道マン、情報を伝える為には、今この手を差し伸べる事よりもシャッターを押す事を優先しなければならない…その行動が人として正しいのかどうかと言う大きな重い心の葛藤…思いやり、優しさ、信念、仕事…様々な立場に応じた判断がギリギリのところで問われた。涙を流しながらでも、使命を全うする為には、時には、二者択一にならざるをえない。市民の立場から見れば、行き過ぎた報道と、捉える見方をする人もいる…。人類始めての経験下、目の前の光景が一瞬に地獄絵と化したとしたら、はたしてどれだけの人が正常?な判断で行動できるのか。涙の奥で、彼等もまたいち早く正しい情報を伝える為に、一分一秒を無駄にする事無く自らの命をかけて発行、配達した神戸新聞の社員一人一人の団結した熱い行動には、文句なく涙した。 |
こうして十五年前の震災を振り返っているこの瞬間にも、惨劇の中で苦しんでいる人達がいる。日本時間一月十三日の朝、人口九百万人の小さなカリブ海の島国ハイチでマグニチュード7・0の地震が首都を直撃。一週間を過ぎる頃に届いたその瞬間の映像には、噴煙を上げ、まるで砂の城が崩れていく様に、失われて行く街の様子が映し出されていた。それは遠い国の出来事では無く、やはり経験をした者の胸つまる光景だった。震災の広がりは時間の経過とともにその悲惨さを増して行く。失われて行く多くの命、困難な救出活動、十五年の時が流れたあの日の情景と重ねずにはいられない。そして、時間の経過とともに生じてくる新たな問題がある事も間違いない。
華道専慶流いけばな 西阪慶眞 |
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