降って湧いた恐い話…天災三大禍
鹿児島県と宮崎県をまたぐなだらかな円錐状の新燃岳
(しんもえだけ)で1月27日、爆発があり、両県にわたる広範
囲に火山灰が降り、火口付近では火砕流も起きていると云う。放
映される激しい噴煙の映像に、平成3年の雲仙普賢岳のあの悲劇
が思い出され、脅威を覚えずにはいられない。市内の道路や屋根
には砂埃が堆積し、灰の街に…。
寒波襲来で新潟の魚沼市や小千谷市などでは3メートルを超
える記録的な積雪に。除雪作業も追いつかず、さらに、高齢者
世帯では買い物に出る事も出来ない有様で、生活を脅かしている。
山形県尾花沢市の銀山温泉では露天風呂の屋根が崩落、観光客数
名が怪我をするなど、各地で豪雪被害が拡大している。関西での
降雪は年末にあったが、日本海側を除けばおおむね平年並みの気
候で、随分助かっている。しかし、灯油の高騰は何とかならない
ものかと嘆く。
一方で、鳥インフルエンザ感染による被害が、日本各地に拡
大。各地方自治体でも防疫対策本部を立ち上げ、感染防止策に躍
起となっているが、食肉、卵への影響を考えるとこれ以上の被害
は大問題であり、拡大阻止が最大課題。細部にわたり検査を急い
でいるが、野鳥からの感染が有力視されることから、鶏舎運営の
農家の方には負担が重くのしかかるとは云え、防網の徹底管理、
衛生管理についてはこれまで以上の姿勢で臨んでもらいたいも
の。身近な所では、大阪にある海遊館でも警戒を強め、ペンギン
のパレードを中止にするなど、万が一の回避に備えていると云う。
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元日早朝、深夜の近鉄特急に飛び乗り、お伊勢さん詣りを。
橋のたもとに立つと、五十鈴川の清流に抱かれた静謐なる佇
まいに自然と身が引き締まり、自ずと合掌を。天照大御神の
もとに足を進める玉砂利の音は深い杜にとけ込む格別なる演
出?に、圧倒的な懐の大きさ、原始林の深さを感じます。杉、
檜、楠、欅など天を仰ぐ巨木の数々は今なお健在で、深遠な
る佇まいの一部に神宮の建築物が点在する。
式年遷宮の行事は690年から20年に一度行われているとい
い、平成25年には第62回を数えるそうです。正殿(しょうで
ん)をはじめとする御垣内(みかきうち)の建物をすべて建て替
えるのです。伊勢神宮はピラミッドやモスクなどとならび世
界の古代建築に入るが、神宮の素晴らしさは建物はいつも綺
麗で、新しく、一方、建築様式や精神は古く、遺産が生きて
いると云う二面性が存在する点です。また、御造営だけでな
く、数多い調度品など伝統工芸の優れた技術を守り伝えると
いう重要な意味もあり、作りかえることで、技術、技法を脈々
と受け継ぎ、伝統を守り続ける…この永遠性を実現する精神
こそ、日本の魂として伝承しています。いけばな人はとくに
重く認識しておきたい一つなのです。
華道専慶流 西阪慶眞
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