自然の猛威がもたらした大地震、大津波による被災地は今なお惨憺たる現状で、人々の暮らしは文明日本のかけらもなく、辛抱はとっくに限界を超えていると云う。想定外の大地震…大規模被害も当然〜、とんでもない論法。これは明らかに人災なのだ。エアコンは無論、扇風機さえも満足になく、布団は最初に配給された毛布のまま。ライフラインの復旧も進まず、トイレなどの衛生状態は最悪。こんな環境下で暮らしていると心の病を起こす人が出て当然。仮設住宅にようやく入れたと喜んだのもつかの間、鍋、やかんと言った最小限の生活用品さえもなく、入居を断念せざるをえない事例も。
このような想像をはるかに超えた気の毒な生活を強いらせているのはまぎれもなく、これこそ幼稚な政治主導が招いた現状なのだ。瓦礫の撤去だけでなく、縦割り行政の壁や資金調達面で復興の青写真さえも描けないと地元市町村関係者。日本には世界でも飛び抜けた土木技術、建築ノウハウ、そして総合開発能力を兼ね備えた企業、人材、優秀な研究者など多数存在している。にもかかわらずその実力が発揮されていないのは悲しい限り。世界中から寄せられている多くの 義援金や物資も現場には届いていない。一体何処へ行ってるのか、三ヶ月以上も経っているのになぜ届けられないのか、腹立たしい!。
改めて、数字を留めておきたい。平成23年3月11日、14時46分、日本の太平洋三陸沖を震源とする東日本大地震。死亡15.477名、行方不明7.464名、なんと合計では22.941名の数にのぼる。死亡者の7割強が水死と云うのが今回の大きな特徴。(6月22日現在調べ) 地震規模は11日の地震発生直後に「M7.9」との速報値を発表。その後、暫定値を「8.3」「8.4」「8.8」と修正を繰り返し、最終的に大幅な上方修正し、M9.0とした。これは当初の速報値M7.9の約45倍、世界4番目の規模だと報告されている。
|
|
私の地域には生駒断層、木津川断層があり、前者は38キロにも及ぶ大きなもの。しかし、東北地震のように複数の断層が連動すれば当然阪神淡路大地震を上回る事は必至。海に面していないので津波の心配はないが、河川の決壊は十分考えられる。もっとも懸念されるのが住宅などの倒壊、そして火災であろう。当地域は1970年頃の住宅ブームにのって無秩序な開拓がされ、路地裏のまたその裏と云った迷路のような細い道に住宅が立ち並ぶ。一旦入り込むと、メイン道路にどうやって出たら良いのか、グルグル走り回らなければならない。そんなアメーバ住宅街に火災が起きれば…想像に難くない。
住宅メーカが田畑を埋めて個々に宅地を拡大する前に、何故、国や地域の行政指導で広域開発指針、道路区割りなどが出せなかったのか?。行き当りばったりのあまりの無責任さに唖然とする。街のいたる所で、車一台が走行するのがやっとと云う曲がりくねった細い道路が。もし、この迷路に消防車が突っ込んだらどうなるのだろう? この際、各自で避難方法、避難経路の確認をしっかりまとめておくべきだろう。行政だけを頼りにしておれない。
華道専慶流 西阪慶眞
|