花模様/専慶流 ●2011年8月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
いけばな専慶流/ヒマワリ
●花材/ 朝鮮槙
●花器/ カップ型朱釉花器

●夏の定番素材、朝鮮槙。蒸し暑い部屋でこの素材に対峙するにはそれなりの覚悟に似た心構えが自然と湧いて来る。すなわち、素材に威圧感を覚えるのです。自由が効くから扱いやすいと思えるのだが、与えられた素材を満足に生かす作品にはなかなかいけられない。作例は変化体の一つ「裏添え流し」にいけています。素材の分解、枝取りに十分な吟味をし、全体バランスを。

ポイント 
 素材をどのように分解するか、その目のつけどころが最大のポイント。
控にはやや集合したもの。きき枝には若葉色の綺麗な枝先を。足元は同じような太さの木質色の茎の配置を考える。


いけばな専慶流/瑠璃玉アザミ
色花を副えて現代好み風に。

●花材/ 花唐辛子、ヒマワリ、キノプラン
●花器/ 黄釉タイガー模様創作器

ポイント 
 背丈35センチ、口サイズ13センチと言う少し大きめの花器。器から花が湧き出るようなイメージで、足元からいけていく。器の黄色に統一させて花材も黄色を選んでいる。

水揚げ 水切り。

専慶流/紫陽花、エレムレス

 いけばな専慶流/フロックス 葉鶏頭

おめでとう、ありがとう!

 あきらめなければ夢は叶う!、夢実現への皆の思いが一つになって勝ち取った世界一、悲願の女子W杯制覇。「なでしこジャパン」が偉業を成し遂げ凱旋、誰もが満面に笑みを浮かべていた。しかし、その顔は得意げな、誇らしげな顔ではなく、喜びが心から溢れ出た、本当に爽やかな素敵な笑顔、無邪気な女子の顔がそこにあった。勝って当然ではなく、自らの努力と鍛練の結果手にした栄光である。奇跡的な勝利、神懸かり…と称する報道も然りだが、二度のビハインドをはねのけたそれは偶然の産物ではなく、日々重ねて来た努力、そしてあきらめない大和魂があったればこそではなかったのか。一朝一夕に出来るものではない。練習するための時間と場所とその為の資金の確保は、想像を遥かに越え、生易しいものでは無かった多くの話が涙を誘う。そんな環境の中で見つけ出したわずかな練習時間を決して無駄にせず、まさに血と汗の滲む練習を日々積み重ねてきたそうだ。ただ、そんな日々も彼女達には、仲間と大好きなサッカーが出来ると言う喜びと、サッカーが出来ると言う感謝の気持ち、そして何よりも後輩に贈り物がしたいと言う熱い思いがあったからだと。
 現代社会は人の関係がどんどん希薄になり、上下左右の中心に自分が存在する事を忘れ、自分の思うままに事は運ぶものと勘違いしている人がどんどん増殖している様に思うのは私だけでは無いだろう。格好良いから、お金になるから、華やかな場所に居たいから、私にだって…と言う思い付きで始め、やってみて嫌だったらやめれば良い、どうせ私の人生だから…的思考回路では、本当に万が一にも夢は叶わない。実のある奇跡は人に感動を与えるが、実の無い奇跡(偶然)は、いつか人の記憶からも消えて行く…そんな風に私には思える。記憶に残るプラス奇跡は、計り知れない多くの奇跡と未来へと繋がって行く…幸の連鎖がそこに生まれる、と考えられないだろうか。

 3月の震災以降、目に耳に届くのは、暗く、重く、情けなさ漂うニュースばかり。被災地の人々の苦渋の生活を思えば、出口の見えない日々、諦めなければいつか思いは叶う!と言う希望を持つ事の大切さ、前向きに頑張る勇気を、彼女達は自らの生き方で伝え示した。大会への出発ロビーに見送るサポーターは数名。帰国時には…。それでも彼女達には感謝しか無かった。
心からの感謝を伝える五文字の言葉、「ありがとう」に込められた感謝、祈り、責任感、粘りの深さを改めて知った。彼女達と被災地の人々が互いに発した心からの「ありがとう」の重さ、そしてそこに私達の心からの「ごめんなさい」があれば、人は、もっともっと自然に繋がりあえるのでは…と思った。共に同じ空間で生きて行く者同士、多くを語らずも、私欲の衣をぬぎ捨て、感謝と思いやりの繋がりがあれば私達は違和感無く笑顔で生きて行けるのでは…そんな風に思えて…。ナデシコジャパンにさらなる充実を。女子チームは男子チームの十分の一だそうだ。この数字わかりますか?

          

                華道専慶流 西阪慶眞


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