花模様/専慶流 ●2011年10月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞

●菊は花色と花の形を見せますが、それ以上に葉の見せ方が重要です。
上に向ける事を基本に、茎の曲がりや花の向き方を総合して、生気ある姿を求めます。

菊一種の盛花です。異なる種類や色を混ぜ合わせ、統一感を。

ポイント 
 深水での水切りは欠かせません。



●花材/ 菊各種
●花器/ 半円形創作花器
●花材/ 久留米鶏頭、キウイ
●花器/ 黄釉創作器

ポイント 
 秋は実物素材が沢山あり、稔り、豊かさを彷彿させてくれます。しかし、その裏側では自然猛威である台風の季節でもあり、うまく回避されてこその光景となれば、おのずと頭がさがる。作例素材はすべて自栽ものだが、長雨、強風、炎天下をかいくぐってこそ見せる色、形です。どのような素材であっても「ありがとう」の感謝の心が自然発生する…いけばなの素晴らしさである。

水揚げ 水切り。

いけばな専慶流/ヒマワリ

 いけばな専慶流/フロックス 馬見丘陵公園

比例、心と美の深さ

 ある職場で昇任審査への書類添付写真に、セーター姿で…これっ
てどうなのか。Tシャツ、破れたジーンズの短パンに細いヒールの
ドレッシーなエナメルの靴…そのバックだけで存在感ある、伝統に
裏打ちされた高価な価値ある品物、なのにアンバランスなアクセサ
リーを付けて持ち歩く若者。違和感を告げると、返された言葉に驚
いた、それがメーカー発なのだと。遠い日には威厳さえ感じられた
品物が…物の良し悪し、価値観が時代と共に変化し続けている。迂
闊に自分流の判断を言葉にすると、思ってもいなかったしっぺ返し
が。こだわり、価値観、流行…ってなんだろうか。
 「お食い初め」は、古都「京」ともなれば皆とは言わないまでも、
私たち世代の人間は知っているだろう…。と言うのも、勝手な判断
なのかも知れないが実態はどうなのだろう?。実は先日初孫の「お
食い初め」をしたと言う話が持ち上がり、「それって何?」耳にし
た事、何かで見た気はするけれど…から話は盛り上がり、お椀に石
を入れたけど、それが正しかったのか悪かったのか…その石の意味
は。それ以前に「お食い初め」の意味は何?呆れて聞いていたのだ
が、思えばこの年齢層にしてこの内容…この孫がやがて母になる頃
には、古来から受け継がれてきた様々なしきたり、文化と言った物
は(簡略化ならまだしも)、全てが文化史と言う歴史の書物の中に
閉じ込められ、いつか忘れさられてしまうのだろう…ふとそんな事
を思い、情けなさと、淋しさの反面、こんな事で良いのかとチョッ
ピリ腹立たしい思いにもなった。現代生活の中では無駄に思えるか
も知れない。しかし、そういった物の考え方が、常識といった当た
り前の事、人として最低限のルールと言った「モノの欠落への道」
へと歩ませているのではなかろうかと。

 確かに、価値観の違いはあるのだろうが、共に生きる隣人として
のマナーをわきまえたり、ほんの少し相手を尊重し耳を貸せば、様
々な情報交換と言う形で互いに何かを学び成長しあえるはず。それ
が文化の継承に繋がるのでは…と思うのだが。とくに暮らしの文化
は地域で生きていく最低限の知識でもある。その意味や習わしの背
景を知った上で、改善し、その時代に即した形に昇華させていく…。
そう考えるとこれまでのヒトは思量深く、美的センスも常に磨いて
生きたようである。
 物の見方、感じ方は人それぞれ。持って生まれた価値観、育った
環境のなかで身についてきた感覚となれば、当然様々で、惨憺たる
は何が正しく何が間違ってるか…その判断が非常に難しい。なぜな
ら、以前は「常識」「TPO」といった誰もに共通する一つの価値
判断の基準、線引きがあったように思う。その場に合わせた出で立
ちに暗黙のうちの了解と言うか、分を弁えてと言うか、たとえ漠然
としていたとしても「当たり前」と言う感覚があった。今は何もか
もが自由化?し、その代償に文化や生活美が失われつつあることに
とても心が痛む。少なくともいけばなの道にいる者として何もでき
ないで、ただ指をくわえて見ぬ振りをしている事は苦しいかぎりで
ある。

          

                華道専慶流 西阪慶眞


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