●2011年4月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
●花材/ 石化エニシダ、紅かしわ
●花器/ 指定カップ花器

 

ポイント 
 エニシダの花は黄色、または白色で、4月中旬〜末にかけて咲きます。いけばなには白花種を使用します。黄色花種は直管枝が柔らかく、垂れ下がるからです。花に傷がつかないよう小さな莟の時にいけ、いけあげた数日後に咲かせるようにします。配材はエピデンドラム、クレマチスなど軽快なものがいいでしょう。作例の紅かしわは自栽ものを使用すれば水揚げも良好です。
 下の写真は数日後、配材をクレマチスに変えて撮影したもの。純白の花がクリーンです。


●花材/ エビネラン、イタヤモミジ
●花器/
二口現代花器(大津寄花堂作)

ポイント 
 エビネランは自生している自然種や交配種などが沢山あります。愛好家が多く、品評会も盛んで、小さいものから背丈50センチ以上の大型のものまで。右の写真種は丈の長い品種で、葉も大きい。個性ある植物なので、自然調に扱い、主材的取り組みがいいでしょう。

水揚げ 水切り。


  イエロークリーン

観測史上最大の地震

 このたびの東北地方太平洋沖地震で被害を受けられた地域の皆様に心からお見舞いとお悔やみを申しあげますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。
 3月11日、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録、死者と行方不明者を合わせると発生から10日目には2万人を越すと言う悲惨な現実を突きつけた「東日本大震災」は、未曾有の大地震、想定外の地震…、表現しきれない被害をもたらした。
 第一報をテレビで放映中に津波接近のニュースが入る。その数分後にはリアルタイムで家を、車を、人を…全てを呑み込んで行く脅威が映し出され、余りの映像に言葉を失った。押し流されて行く様子は、映画では無く現実だと解っていながら、信じ難い事実を受け止められない心が、その映像を反対に脳裏に刻み付け、余りにも鮮明な記憶が、時折重く頭をよぎる。そんな最中に最も心配していた福島原発の異常騒ぎが起こった。津波で何もかもを失い、かろうじて命だけは助かったその生活に待っていたのが、マイナス気温を示す寒波、そして、さらなる恐怖を植え付ける原子力発電所の損壊。
 地震の大きさも、津波の大きさも、原発の爆発も全てが想定外…「専門家であるはずなのに、どうしてこの事態を予測出来なかったのか?」報道番組の中でキャスターが何度も詰め寄る場面を目にした。ある学者が言った。「想像の中には予測としてあった。様々な結果の遠い遠い先には、こんな現実もあり得る…しかし、学者の立場であっても、それは予測の範囲を超えた所にある想像でしかなかった、現実に起こり得る事としての想定の中には無かった」。

 岩手県宮古市では日本一の防潮堤も大津波は軽々と越え、押しつぶした。一方、津波に対する避難に関しては、こんな現実も。釜石の小学校では、児童に明治時代の三陸地震など過去の失敗を繰り返さない様に、地震、津波に対する教育をしていた。ここの児童の中から現実に不明者は出ていない。更に、津波の発生時大人を避難誘導をしていたと言う。経験の無い児童でも津波に対する知識を学んでそれを素直に判断する事で、難から免れる事が出来た。この事実から、私達は未来の為に人任せでは無く、自ら学ばなければならない。どんな時も、責任転嫁、責任逃れ…時にはそれを翳して人を攻撃し、人の心の不安を煽り、通常の生活にまで影響を及ぼす…と言った悪循環を正しい情報と判断で回避し少しでも被害を食い止めて行かなければならない。
 今、悲惨な現実の中だからこそ見えたもの、感じられたものがある。
小さな島国「日本」に被災三日目には、既に91もの国と地域から、また9つの国際機関からの援助の申し出が。国家間にある政治や経済等の問題を今は抜きに、一刻も早く瓦礫のなかから一人でも多くの人の救助が先だと。人の命の尊さに国境は無い…。その意味でも、原発を正常に戻したあと、運用、安全性についてはリセット、徹底した精査の約束を。再運転の際には名実共に安全な発電機であることを遵守してもらいたいもの。

          

 

                華道専慶流 西阪慶眞


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花模様  専慶流