花模様ロゴ ●2017年7月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
ヤマゴボウ造形

ポイント 

 動物彫刻ではないが、ややシュールな感じに構成、いけばな側面の面白さを覗 かさてみました。包装目的に作られた籠は軽くて柔らかい。その性質を利用し て、変形させたり、数個を組み合わせるなど、柔軟に素材化を考えるのは楽しい。 ブドウの幹を骨組みに、籠でボディーを。表情はヤマゴボウとコチョウランで 表していますが、具象的ではなく、あくまでイメージとして出せれば良いでしょ う。水は後方に缶をぶら下げているので、そこへ茎を誘引します。

水揚げ 水揚げは良好、水切りで十分です。

●花材/ヤマゴボウ、デンファーレ、ぶどうの木
●花器/梱包籠


ポイント 
 素材は海外から特別に種を入手し、知り合いの方に栽培してもらったキラキラトウモロコシ。 この種は原種に近いと聞いたが、本来、トウモロコシはこのように色がついていたとされている。 原種のしたたかさを表出すべく、極力手を加えずに生命そのもののカタチ、魅力に迫ってみました。 いけばなで は現在、過去、未来の次元美が伝承 されるが、壮大なテーマでもある。

水揚げ 水切りの励行


トウキビ

●花材/トウモロコシ
●花器/現代花器


アーテチョーク  アーテチョーク他

縁素直に ア/リ/ガ/ト/ウ

 少し日々を振り返ってみて下さい。あなたはどんな場面で「あ
りがとう」の言葉を使っていますか?。人から物を頂いたとき、
何らかの手助けや、配慮等を受けたとき、あなたがペットを飼っ
ているなら癒されるその存在に感謝して…。またこの言葉は必ず
しも声に出して告げるだけのものではなく、折りに触れ、遠く離
れた場所で生活する親や知人に、時には太古の人達が太陽の陽射
しや、恵みの雨に感謝し神仏に心の中で祈りと共に発する言葉無
く捧げた様に…様々なときがあります。「ありがとう」の言葉は、
言うまでもなく全ての事象に対して理屈抜き、自然発生的、反射
的に誰もが抱く素直な心の様が言葉として表れたものなのだろ
う。ただ、その表現の仕方が人それぞれの性格や価値観の違いか
ら、発し方も様々に成るのは言うまでもないでしょう。同じ行動
をとっても、同じ行為を受けても、受け留める側次第でその内容
や価値感が変わる。何故?何に対して今「ありがとう」なの?、
と不可解に思う人がいるのも確か。ある意味ひとりひとりの感性
を思えば違和感を持つのも当然でしょう。もしかしたら「ありが
とう」と言われた方も予想外で一瞬戸惑う事もあり得るでしょう。
もう随分前の新聞の投稿欄に、中学一年生のこんな内容の記事を
目にした事がある。
 通学途中でバスを降りる時、自分の前にいた人が運転手さんへ
向かって「ありがとうございました」と言って降りた事が疑問に
思えたと云うもの。「無賃で乗せてもらったのではない、ちゃん
と料金を払って乗ったのだから、料金を得る運転手さんの方が言
うべき言葉のはず」と。単純に考えれば、支払う側と、受け取る側、
当然収入に繋がる方が感謝すべき…が常識?。この疑問にあなた
なはどう思いますか。この中学生と同じ様に、確かにそうだ!と
同調する人、反対に、乗客の中には他にもありがとうと言う人、

 人の縁と言うのは本当に不思議なもの。地球の人口は現在73
億?人は一生の内にどのくらいの人とすれ違い、どれだけの人と出会うのだろう。限られた空間で生きるしか無かった古き時代の人々とは違い、私達は手段はともかく、望めば国境を越えて世界中の人達と出会い、縁を結び、繋がれる社会に生きている。出会った縁が一人の人生を大きく変えて行く可能性を持っている事は間違い無い。縁あって出会う相手は、年齢、性別、身分等々に関係なく、またその出会いの善し悪しでも無く、ひとつひとつの出会いから自分が何を学び、何を思考し、何を得るかで人は変わり、自分自身を磨く事に繋がって行く。
 いつも身近にいて連絡を取り合っているから縁が深い、滅に
会う事も話す機会も無いから縁は薄いノと言う事には決してら
ない。どんなに疎遠にしていても、会えばその長さを全く感る
事無く同じ感覚で会話が成り立ってしまう人や、この人に何故こんな話を?と思う事がないだろうか。特に意味のある会話ではないが、その人との何気ない会話や、共に居るだけで心が穏やかに冷静に成る、元気に成ると云う事は?。また、無防備でいる事に不安を感じる事無く、それが自分に負荷となって戻って来ても、決して相手に責任転嫁する事はないノと言う信頼関係ある繋がりも。人は人と関わり無く生きて行く事は不可能。恵まれた多くの出会い、縁あってこそ、自分の人生を歩む事が出来るのだと言う、人への感謝を忘れずにいたいもの。
 花を介してのご縁、様々な教えを頂いている有り難みはヒシヒシと日々に重く感じます。ありがたい限りです。

             華道専慶流 西阪慶眞

 

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