滋賀県草津市琵琶湖畔の烏丸半島は全国でも有数の蓮群生地が
広がり、例年7月中旬〜8月初旬の開花期は多くの愛好家が夜明
け前から押し寄せ、スケールある別世界に陶酔することで有名。
しかし、一昨年を堺に突如としてその姿を消した。市も研究者に
依頼、調査をした結果、繁殖が増大化して土の中のメタンガスが
増えた、粘土質が砂地に変わった。その他、外来魚や外来生物の
かかわりなど、複合的要素が重なったとされている。とは言え、
甲子園球場10 個分の広さを誇る大群落が突如として跡形も無く
消えたとはとても信じがたい出来事。更なる驚愕は、蓮に入れ
替わりオオバナミズキンバイの外来水生植物が占領、黄色の花
で埋め尽くしてしまったのである。一見、黄色の花で埋め尽く
された光景を見た観光客が、蓮をこの黄色の花に人為的に植え
替えたのかとさえ感じさせるほどの早業!。
|
|
市はなんとしても蓮群落を再生したいと話しているようだが、
オオバナミズキンバイは超厄介者で、除去する際に茎の切れ端が
少しでも水面に残ると、そこからまた繁殖する。他の地域でもボ
ランティアなどが舟を出して刈り取っているが、広い範囲ではな
かなか壊滅には厳しい状態が続いていると言う。
外来種の侵入で大きく環境を歪め、生態系に支障をもたらす脅
威は他にも多数存在、食の分野でも同様、切実である。
華道専慶流 西阪慶眞
|