ポイント
正月には松竹梅、ひな祭りには桃の花、子供の日には花菖蒲、秋には菊など、伝統行事と共に、定まった花の取り合わせが受け継がれている。しかし、生活様式や空間の変化、花の多様化に合わせた取り合わせは日々進化、いけ手の新感覚が問われる。
近年目にする素材は和洋を超え、形、色、質感も豊富で限りなく幅広い。一見、材料的には恵まれた時代と云えそうだが、必ずしもそうではない。むしろ、一昔前には感動する稽古花が教室に。面白い枝振りの松や梅、万作、朴ノ木、山梨、茶の木など、現在とは比にならない締まった良品が担保されていた。その裏には、自然と共に暮らしてきた里山の人々の手塩にかけた守があったからだが、高齢化と共に進んだ過疎化の負の陰が悔しい。
「令和」では、とりわけ伝統を尊ぶと共に斬新な取り合わせ≠ナ爽やかなやさしい風を吹かせ続けたいと思います。
●水揚げ 水切りで対応します。