いけばな専慶流/花模様 ●2020年12月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞

 

 花材/倒木、ポインセチア、雑草の実
花型/造形(立体応用)

 花/枯木.ポインセチア

個性とともに

ポイント 
 山間部で見られる倒木。長い年月を経て幹の芯だけになった自然の造形には様々な歴史が隠されている。見えないドラマを愉しく構築。名も知れない蔓には沢山の実が。また新たな可能性へと受け継ぐ。

メ モ ポインセチアは水揚げが悪く、造花を




 

●花材/

薩摩杉、シンビジューム、モカラ、ガーベラ、ソテツ

●花型/

カップ型コンポート

ポイント 
薩摩杉は幹も葉も柔らかく、扱いやすい。緑の色は浅い緑色で、優しく、洋花のカラフルな色にも馴染みやすい。ここでは和洋折衷の品のある生花に生けあげている。

三種の洋花を色彩本位に取り入れたが、多色を入れる場合の
ポイントは「強弱」の意識を。中心部分に重いシンビジュー
ムを、軽いガーベラを高い位置に、赤いバンダを控にそれぞ
れ配し、引き締めている。なお、足元を花器の右に寄せてあ
るが、地に長い枝を採用したので、アンバランスな美を求め
た計算された処置。(通常、剣山挿し位置は中央に)

水揚げ 水切り

花/薩摩杉 西阪慶眞作


 ツリー

溢れる情報の交通整理

皆勤賞がなくなる、悪質になるいじめ問題、地域の大人
が子供たちを守る、十人十色人それぞれの良さを見出だす
教育…等々「昔は良かったなぁ〜」なんて言えば、「今どき時代遅れ」や「年寄りがまた訳の解らない事を言ってる!」と、耳を貸すどころか、即座にその内容に限らず却下される事が多々あると云う。それは実年齢ではなく、その判断を現代社会に合う合わないで決めつけてしまうからではないだろうか。文明の発達で快適な生活を手に入れ、感覚的には多くの無駄を省き何もかもを明確に?、それは人の考え方までも、単純に安易な良し悪しで決めつけてしまおうと云う流れになっているからでは。
「大人がなにもしないから、僕がたすけるしかない」とい
う思いで、迷子に寄り添った少年の話をテレビを通して多
くの人が見ただろう。その行動を称賛する傍らでは、結果
的にOK だが、もしもその大人が自分だったら…の問い掛
けに、現代社会を浮き彫りにする反応が返されていた。躊
躇うことなく「気付いていても見て見ぬふりをする」と当
たり前のように答えるのを何故?の違和感を持ってみなが
ら、無差別に振り掛かる災いからの回避を考えれば他人事
ではない。悲しいかなどこかで今の世の中じゃ「そうだよな」と変に納得する自分もいる。ただ、当然のように答える大人達の反応に、本当にそれで良いのか!の思いが消せない。困った人がいれば助ける、それは人として当たり前の行動だったはず。時には自分の命すら省みず行動する人も…。それを時代の流れで片付けて良いのだろうか。 

 

 ものが溢れる現代社会では、欲しいものを手に入れる容
易さにものへの愛着心や大切にするというような感覚は薄れ、取捨選択は思いのまま、安価なものはどこかで使い捨
て感覚になってしまってはいないだろうか。ようやく手に
入れた満足感よりも、新たなものへの興味の方が勝り、常
に目はそちらに向かう…。
 命の重さ、本来あるべき人としての行動、恵まれた時代
に生かされていることへの感謝を私達は余りにも軽くみて
いないだろうか。皆がそうだから、それに右にならへ的な
感覚で、いつの間にかそこに違和感を忘れ、あたかも当然
の行動のように錯覚し、全てを今は世の中が、時代がそう
だからの言い訳で都合の悪いことは責任転嫁していないだ
ろうか。
 気が付けば今年も締めくくりの時を迎え、振り返る一年
はコロナ禍に右往左往しながら未だ出口が見えず、変わら
ず温暖化やプラスチック等々環境問題を抱え、国際間の紛
争等々は絶えず…これ程明るい話題を思い出せない年は過
去に有っただろうかと思えるほど。
 締め括るこの時だからこそ、迎える新たな年には、誰も
が共に喜びを分かち合える話題が一つでも多くなることを、
心より祈り願いたい。

            

            華道専慶流 西阪慶眞

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