静岡県に実際に2000人が生活する、AI、ロボット等々による実証都市計画があるという、私には衝撃的なニュースが耳に飛び込んできた。その内容はまるでSF映画のよう、近未来型夢の暮らしとでも言えばよいのか…
昭和、平成、令和と時代を越えて生きる機会が与えられた私達世代にとって、子供の頃目を輝かせわくわくドキドキ…胸踊らせ見入った漫画の世界、空想科学の世界として描かれた未来社会は、どこまでも非現実社会であり、単なる仮想空間でしかなかった。憶測に過ぎないが、執筆した作家でさえ、想像の域を超えてはいなかったのでは無いだろうか。しかし、そんな表現がされてから高々百年に満たない時の流れのなかで既に「ありえない!」だったはずの社会が、どんな想像もいつかは現実のものとなって行くもの…。例えば過去に実用化された新幹線、パソコン等々様々な発明を振り返っても、私に限らずそんな風に意識が変わっている人は多いのでは。何故なら、既に夢が夢でなく、また、良くも悪くも様々な分野で現実化への確かな一歩が踏み出されているのは事実だから。
ただ、少々偏屈な私にはそんなニュースに喜ぶよりも、取り越し苦労の不安ばかりがよぎる。極端な話だが、人の行動、思考をAIが代行…。ものを考え、結論をだし、行動すると云う。私達の日常の行動を、データーを元に判断し、無駄なくより良い判断と行動をとるなら、私達は意志をもって何をするのだろうか。また、以前にも発信したように既に意志を持ったAIが存在すると云うことは、空想が現実となるなら、いつかAIと人の関係がどの様に変化して行くのか…。馬鹿げた単純な取り越し苦労であることを願いたい。 |
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阪神淡路大震災から既に25年、東日本大震災から9年壊滅的状況からの復興は…、昨年は大型台風等自然災害による多大な被害を被り…目を覆いたくなる幾つもの現実に遭遇してきた。そして、それは我が国に限らず、今起きているオーストラリアの森林火災、様々な地域で起こる地震、火山の噴火、台風による災害等々温暖化による多種多様な災害が現実に多くの人や生き物からその命や生活の場を奪っている。また、アメリカ、イラン、中国等々、様々な国家間の不穏な行動が世界に緊張感を…。互いに命を尊ぶ人間同士でさえ、利己的な思考から争いに繋がって行く。意思の疎通の難しさは、感情のある人間故のことだとすれば、AIとどの様に共存して行くのか…。 発展は拒まない、しかし、同じ開発、研究をするなら、身近に起きている問題解消への努力や、今、日本や世界に起こっている温暖化を含め様々な負荷の解消の為にどの様に対処すべきかを優先することは出来ないものだろうか。前進の前に、最良の現実を目指すことは、決して後退ではないはずでは…
華道専慶流 西阪慶眞
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