日々、感覚が着いて行けないと思う程急加速で、私達を取
り巻く生活環境は著しい変化を続けている。例えば、とある
衣料品店の入り口を入ったところに二色のリストバンドが
置いてあり、来店時にまず意思表示としてどちらかを選択
し装着してもらうというもの。そう、商品購入に関して店員
のアドバイスを受けるか否かの意思表示なのだ。例えば服
を選びたいが、店にはいると同時に店員が歩み寄り思うよ
うに品選びが出来ない、そっとしておいて欲しい…、そんな
ある意味、言いにくい人への思いも、言葉交わすことなく一
目瞭然で伝えられる。衣料品店に限らず、最近は様々な場所
でこのような意思表示方式が急増しているよう。ただ、二者
択一の選択に対しては、様々な反応が生じているのはいう
までもなく、時には極端などちらかの選択が瞬時にでき
ず、思い悩む人も当然いる。
歴史的由緒ある東本願寺でのキャッシュレス賽銭や、リ
モートでの説法、説教等々、当然のごとくそこに「ありがた
み」の有無の声があがるが、寺側は利便性も考えこの先は現
金、電子決済共に可能にして行きたいのだと。 |
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また、同じニュースの中で、駄菓子屋さんにお菓子を買いに来た子供達が、スマホ片手にpaypay でキャッシュレス店主のお婆さんは算盤で計算…本心はキャッシュレス化にしたくは無かったけれど、これも時代、嫌だといっていられないから…と。そう、私達の生活のなかのキャッシュレス化は、コロナ騒ぎが起こる以前から始まってはいたが、誰もが…と言う感覚のものではなく、コロナ禍が導き出した非接触サービス、完全非接触サービスと言った生活環境改善に向かって
急激に変わってきた。
ただそんな現実のなかに在って、時代が逆行?考え方が
古い!、甘い!と言われるかもしれないが、感情を持つひと
りの人間として、二者択一で物事をスムーズに進めて行く
ことに、どこか機械的でそこに人との関わりや触れあい、人
の優しさや温もりを感じられなくなるのでは…。そんな不
安な思いに、ふと平成に入った頃流行語にもなった「ファ
ジー」と言う言葉が思い出された。
曖昧な…、緩やかに…何もかもを決まりきった、決まった
形に無理矢理嵌め込むのではなく、自己責任においてでき
る限りのコロナ対策を誰もが真剣に取り組めば、もう少し
緩やかな思い遣りのある、温かな人間関係が保てるのでは
…と感じるのだが、この思い、皆さんはいかが思われるで
しょうか?。
華道専慶流 西阪慶眞
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