万物に分け隔てなく与えられる24時間と云う時の流れ
は規則正しく、どの様な状況にあっても止まら無い、誰
にも止めることはできない。ただ、刻まれる時は止めら
れなくても、目の前に有るさまざまな現実に対して何も
出来ないわけではない、例え微々たる力であっても、私
達に出来ることは必ず有るはず…。
2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、
今なお全く終息が見え無いまま続いている。連日報道さ
れるウクライナの様々な地域での現状、誰もが画像を通
してその凄惨な光景を目にしない日は無いだろう。少し
前までそこに在った緑豊かな美しい国が、街並みが今は
見る影もなく、まるで生気を失なった、全てが色を失っ
た世界がそこに広がる姿を目にする度、それが映画やド
ラマではなく、確かにそこには私達と同じ様に何気ない
日々の生活を送っていた人々が居たことを思えば、突然
奪われた日常、悲惨な別れ…ただただ胸が苦しくなる。
歴史上に戦や戦争と云う史実の無い国は無いのだろう。
ある意味平凡な日常が当たり前の生活を送る私達は、歴
史を遡れば何度と無く繰り返されてきたその凄惨な場面
を他人事のようにしか想像できない。現実に戦争を体験
してきた人々にとっての戦争と、史実として見聞きする
戦争には、大きな隔たりがある。これは仕方の無いこと。
そう、どんな情報を得ようと体験には及ばないからだ。
だからこそ、昔の話ではなく、現代文明の中で今起きて
しまったウクライナのこの現実を、遠くの国の話ではな
く我が身に置き換えて少しでも考えてみるべきなのでは。
他人事と避けるので |
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はなく、少しでも事実を知ろうとする努力は必要、何故な
ら、体験せずに済むに超したことはなく、自身で見聞きした
情報、机上の知識でも何でも良い、大勢を前にしても、どん
なに細やかでも、一人一人の切なる思いが何らかの形で戦
争回避への道を探るための糧となると信じたい。お互いに
ただひとつの命を与えられた人と人との争い、それぞれが
自身の身近な人々への思い、相手を尊重し合い、認め合い…
理想論だと言われるだろうか。しかし、戦争も平和も元を正
せば全て人の思いに依るものでは…。
他者の事はさておき、自分だけ良ければ…、自分だけ無事
であれば…、慌ただしく、ストレス社会と呼ばれる現代社会
に生きているから仕方がない無い!と見て見ぬ振りで現実
から回避…で良いのだろうか。今一度、自分の大切なものを
守るために今自分に出来ること、自分のすべき事を見直し
てみてはどうだろう。ウクライナが再生し穏やかな日常を
取り戻すのはいつになるのか、要する時間とそれまでの
人々の思いを想像するとこは難しい。ただ、今戦禍の中にあ
る人々にとって、一日も早くこの戦いが終息することを心
より祈り願いたい。私達は、この戦争を他人事と終わらせ
ず、これを機会に改めてこの現実から多くの事を学び、考え
るべきなのでは。
一向に出口の見えないコロナ禍は、繰り返される感染に
遂に第7波が囁かれ始め、「XE」と呼ばれる新たな変異株
も。接種は自分の為であり、周囲の人の為でもあることを、
未だ回避している人はもう一度考えてみては…。
華道専慶流 西阪慶眞
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