◆通信教授の「テキストサンプル」


「自然調盛花」
初々しく輝く、あの清しい山間のイメージを、爽やかに生けあげてみましょう。

◆時  期 3月〜4月初旬
◆使用花材 黄金てまり数本、カイウ3本、君子蘭の花1本と葉2枚、デルフィニューム若干
◆花 材 費 1000円〜1300円程度
◆水  揚 特別な手当が必要な素材はありません。すべて水切りだけで十分です。1週間〜10日は持つでしょう。
◆花  器 幅30センチ程度の平水盤。色は淡いものが似合います。
◆環  境 和洋室向きで特に環境を選びません。ただ、少し大ぶりに扱いますのでやや広目の空間向き。マンションなどの下駄箱の上に置くような場合は、少し圧縮したサイズに生けるといいでしょう。
◆ポイント 芽吹きの爽やかな雰囲気を枝の伸びやかさに求め、煩雑な扱いを避けてた清楚感の表出に焦点をしぼります。

通信教授サンプル

 「生け上がり完成作品」

春の清しい風を暗示させるように伸び伸びした枝扱いを心がけ、複雑な交差や重複した枝扱いは避け、立体構成にします。

配材はあまり広げないこと。前後に配し、うまく黄金てまりにとけあわせます。

明るく、それでいて落ち着きのある上品な雰囲気を楽しみましょう。

「いけ順その1」

力強く、枝先に伸びのある枝を主枝に選びます。通常は真っ直ぐに伸びる芯の枝をあてるのですが、右の枝を見て下さい。横枝を主枝に選んでいますよね。でもこの場合、横枝と云っても真横に出ているのでなく、かなり上向きに出て、そして長いですよね。こうした横枝なら主枝に選んでもいいのです。

1.左やや斜め前方に傾斜させて「主枝」を入れます。

2.主枝に添えるように左前に枝が流れるような形で「前副」を入れます。


(1)

(2)


(3)


(4)

「いけ順その2」

3.次ぎに奥行きを持たせる枝として右奥に入れましょう。少し重量感あるものがいいのです。そして真ん中にも足しておきます。

4.さらに左前に長めの枝をプラスして流れを強調させるとともに、全体の立体的バランスをとります。

「いけ順その3」 配材を入れる

5.君子蘭の葉は真っ直ぐで動きの乏しいものです。ここでは濃い緑色を捉えて面扱いのものを中心に一枚、そしてもう一枚は前に。

6.二枚の葉の間に君子蘭の花を添えましょう。とてもあざやかなアクセントとなり、口紅をさしたようなキリッとした表情が出てきます。


(5)

(6)


(7)


(8)

「いけ順その4」
    最後の仕上げ

7.8.白い花のカイウを3本入れましょう。中央に長く、そしてその前後に高低差をつけて各一本添え、深みを持たせます。

カイウの根元は柔らかいのでなるべくスカッと一回で差し留めて下さい。

最後に青紫色のデルフィニュームを前後に配して完成です。どうですか?爽やかな季節の一作となりましたか。

上記テキストはサンプルの一例です。各人にあわせた適切な指導をさせていただきます。

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