2003年5月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞      



花材/どうだんツツジ、板谷もみじ、ダンチク、バラ、鳴子ユリ

ポイント 瑞々しい若葉を主題にした生花。力強いどうだんツツジだが、直立した芯の幹には面白さがないため、芯をカットした横枝を「天」に配し、雅味な幹の動きを見い出している。人添から地にかけては緑の濃淡が美しい板谷もみじで引き締め、ダンチクを配すことで軽快さをプラスしている。


花材/白花紫蘭、西洋斑入り石楠花

ポイント 裏庭の一枝をさり気なく生けた、飾り棚用の小さな作品。数少ない素材だけにちょっとした傾きや向き加減でその表情は大きく変わるもの。量的バランスや素材の見せ方はまさに日本の心です。

栽培ポイント 近年シャクナゲも多彩な西洋シャクナゲが出回り、花色は豊富で鮮やか。ただ、中には上記品種のように強健種もあるので一概に言えないが、園芸種は栽培が難しく地植に適さないものがあり、通常は鉢植えで管理するのがいい。シャクナゲはツツジと同じで、根が浅いため夏場の水やりが欠かせない。また水はけのよい地に植え、半日程度の太陽があたる場所なら申し分ない。切り花には葉の形のいいもの、花は小振りのものを選びたい。
 紫蘭も地植出来るが、斑入り種は増えにくい。とくに同じ土地では数年で消滅してしまうので3年程度で植えかえ、更新するといいでしょう。


 信州/車山高原

日本人ブランド

 
 四季折々の溢れる自然に恵まれた、小さな島国日本。そこには先人達の努力と英知により日本独自の伝統・文化・慣習が創生され、時代に合わせた磨きを重ねながら今日に受け継がれてきた。その弛まぬ蓄積は少なからず私達の心の中にも存在し、暮らしの中ではお爺さん、お婆さん、両親から、はたまた学校教育、自然環境等からおのずと「日本らしさ」というものを内在させて来たはずである。
 ところが最近の暮らしを見ていると、日本人でありながら「日本らしい」トーンは希薄になっているケースを多々見受ける。新鮮さや輸入品を追い求めるがゆえに何時の間にか、日本らしさが軽視されたり「日本ブランド」の素晴らしさが失われつつあるように思えてならない。
 早い話、今、自分自身の中に日本を語れる、伝えられる何かを持っているだろうか。世界の一員として同じ土俵に立つ時、堂々とした姿勢で「私は日本人です」と日本を語り伝えられる宝を自分自身の中に持っているだろうか。 
 家族で二年間の海外赴任に臨んだ知人から最近こんな便りが届いた。英語が堪能な上、現地のフランス語も不自由しない会話力を持つ。子育て、主婦業の傍ら様々な取材や、アナウンス業等もこなすいわゆるキャリアウーマン。そんな何もかも持ち合わせたような女性が、他国での多くの人々との出会いや生活の中で、日本人としての自分を表現したり、伝えられるものを何も持ち合わせていなかった、と落ち込んだと言うのである。
 もしかしたら 日本で生まれ育った私達は、ごく身近にある事を、知ろうとする努力をしていない、或は、真の魅力に触れなかったのかも知れない。生まれ育った国だから誰よりも日本を知っているつもりになっていたのだろう。彼女は海外赴任をきっかけに改めて自分が日本人であると言う意識を持ったと言う。無意識に暮らしていた空間での個人は、一歩外に出れば、それが必然的に付加価値を持った個人に変わる。「趣味」「特技」だけではなく、日本人としての自分が表現出来、誇りを持って生きていく事の意味は大きい。それは、時代を越えて語り伝えられて来た伝統行事、祭り、作法など諸文化を身近に感じられる行事への積極的参加も大切な事。個性的な自分を生きて行く為に、まず自分自身の中に日本人である事を誇れるだけの精神を学ぶ必要があろう。それが歴史ある国に暮らす特権、価値でもあるのではないだろうか。
 私達は幸せな事に、好きな花の道を歩む事によって、無意識の内に日本の心を学んでいます。花を生けると言う行為の中に綴られた深い心、或は日本の伝統文化の高い美意識、教養を高めているのです。その自然な姿がひいてはこの素晴らしい日本を次世代にバトンタッチする掛け橋になっている事をあらためて歓びあいたいものです。

                              華道専慶流 西阪慶眞


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