2005年6月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
花材/ユリ、ガマ、キキョウ、鳴子ユリ
花器/大津寄花堂作黒釉創作花器

 近年ユリの改良種が進んでいるが、作例素材は鬼ユリに手を加えた品種で、茎は長く、花付きも多く、可憐である。下向きの花なので高く配し花の表情を捉える。他の素材と混ぜると煩雑化するので配材は低く添え、姫ガマを思いきって左に流し、意外な構成美を創りあげている。
花材/宿根スイートピー(自栽)
花器/大津寄花堂作黄釉創作花器


 多年草の「宿根スイートピー」は強健で、作りやすく、毎年初夏から秋にかけて次々咲きます。茎は長くなるので2メートル程度の誘引柱が必要。多肥、多湿は禁物で過保護にしないことが花を多く付けるポイントのようです。我が家では春に少し肥料をやる程度で、それ以外は放任。

いけばなにする場合は支柱から飛び出した暴れ枝がよろしい。店頭で並ぶのは綺麗に作りすぎで、面白みがありません。一種いけ、又は造形素材によく合います。


 

情報氾濫と日々のゆとり

 現代は少しオーバーかも知れないが望めば居ながらにして世界中の様々な出来事を瞬時にして知ることが可能な社会。テレビは一家に一台どころか一人に一台、更にそれに代わる勢いで携帯やパソコンが普及し、望む、望まないにかかわらず溢れる情報社会のなかにある。ある意味、平等に様々な知識と可能性を得る環境が整ったともとれるが、しかし、そこには思わぬ落とし穴、罠が仕掛けられていて、新手の犯罪も日々更新、巧妙化している。また、情報を得るにしてもあまりにも膨大で、何処からどのように入手すれば安全確かな知識が得られるのか、情報源の取捨選択能力が個人に問われる。子供を持つ親の心配はここにある。パソコンを触っていて知らぬ間に入ってはいけないサイトをクリックしてしまうような事は大人でもあり得る。後日多大な金額を請求されたなどと云う事件は日常的となっている。
 このように、情報システムの移行にともない、全国の小学校でも1年生から、パソコンの使い方を指導している。2〜3年生ともなれば大人顔負けに操作する生徒も多いとか。
 しかしそんな個人空間の拡大の影で、本来備えているべき「人」としての感情、心が損なわれつつあると現場の先生は指摘する。戦争などを題材にしたゲームに接し「殺す」「傷つける」と云った罪悪感情が麻痺していると云う。そして、善し悪しを問わず、得られる情報が、時に災いを拡大し、更に大きな新たな災いをもたらす事もある。同じ悲惨なニュースを目の前にしても、捉える感情が個々に大きく異なって来たのもこうした背景のあることを無視できない。受け止める側が様々であると同時に、発信する側もまた様々である。
 「表裏一体」と言う言葉がある。文字通り表も裏もないと言う意味だが、人の思いや性格などを示すのに、陰と陽、本音と立前など、相反する言葉が必ず対となって用いられる。人も、企業も、組織も…あらゆる物に表裏はある。自己を抑えて協調する姿勢が無くては集団や組織の中では生きていけない。当然一つの家族と言えど同じで「家族の形」も随分変化している現代では尚更の事。問題なく上手く過ごして行くためにはただ「合わせ従う」「従うことを強要する」と言う従来の考え方では成立しない。それどころか、多くの問題、事件の発端となりかねない。知る権利、主張する権利は全ての人に平等に与えられているのだが、余りにも様々な情報が氾濫し、日々慌ただしく時間に追われて生活する私達の心に、それを消化していくだけの心の余裕が無いのかも知れない。
 人への批判は出来るが、はたして自分はどうかと省みる心のゆとりがあるだろうか、惑わされてはいないだろうか。世の中に起こって居る様々な事件はどれも人事ではなく、常に自身の中に加害者、被害者両方の可能性があることを忘れてはならない。様々な情報に惑わされずに正しい判断を導き出せる様、私達現代人にはまず心穏やかに過ごせる時間の確保が何よりも大切な事のように思える。
 自然は留まる事なく日々移り変わっている。それを感じる心こそがゆとりであり心穏やかにする日本人らしさではないだろうか。いけばなはその僅かな違いを敏感に察知する能力を高め、美を構築する。特別ではない何気ない日常生活の中での一輪の花がもたらす効用ははかりしれず、日本人独自の心を養い、そして穏やかにさせる薬効があることに気づいて欲しいと願っているのだが…。いけばなを教えていると花を通じ人の歪みが気になって仕方ない。

                            専慶流いけばな真樹会主宰 西阪慶眞


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■専慶会館/京阪、近鉄桃山駅東1分 TEL 075-612-2076
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