専慶流 ●2017年4月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞

 

ポイント 
この作品は花器から出たキウイの力は右上に伸び、そこからさらに左へ。
つまり、単純に右に出ただけでなく折り曲がって左に向きを変えることでこの作品の深み、見せ場を構成しています。このアイディア、着眼点が現代花の重要要素の一つであることを確認
下さい。

アーテチョークの葉はトゲがあり扱いにくいですが、特異な表情に趣があります。

●花材/

キウイ、ヤマブキ、アーテチョークの葉

●花器/ 大津寄花堂作 創作花器

 

●花材/

キウイ、ライラック、アンスリュームの葉

●花器/ ガラス器

ポイント 
●暮らしに融け込む創作いけばな…。いける人は言うまでもなく、そこに住まう全ての仲間にも歓びと元気を与えてくれる空間の魔術師「はな」。
いけるコツは
肩の力を抜いて、植物本来の色、カタチ、質感、動きの一つ一つに焦点を当て、
その魅力を探り、美を拾い上げます。
小さな花が集まったライラック、その三角錐の新しい生命塊から一本のキウイが幹を出しそこにも新しい生命が。でもまだこのキウイは独り立ちできず母体の血液を循環させる。その背景の緑は自由に羽ばたく未来のエネルギー。
丼茶碗とほぼ同じ大きさのガラス製の器に一本の花、一本の幹、一枚の葉でドラマを。まさに自由な発想と想像、造形を開放感の中で楽しみます。
手元にある素材で想像豊かに挑戦下さい。

水揚げ 水切り。



 裏庭の山吹

継承のカタチ?

  寒さ厳しい冬を越え、植物が開花を迎えるこの美しい季節に
我が国は新年度を迎える。特に新たな環境での生活が始まる人々にとっては、自身もそれを見守る周囲も、期待と不安を胸に一歩を踏み出すことに。そして、その速度は違っても、人は年を積み重ねながら様々な事を学び、終わる事の無い自分磨きの時を刻み続る…と私は思っている。
 この年になって改めて思う事がある。人と人を繋ぐ為に必要
な物は思いやり、優しさ、労り…、これ迄に述べて来た事に変
わりはないが、もしかしたら耳を傾け相手の言葉を、相手の思
いを真剣に聞く事が早道になるのではと。今更改めて言うまで
もない事と思われるだろうか。しかし、我が身を振り返るとき、誰も皆とは云わないが、安易に自分を基準とした判断を押し付けようとしてきてはいないか。若ければ尚更、相手を思う配慮以前に自分の意見が正しいのだと。しかし、積み重ねて来た経験が、相手に対して即座に賛否両論を問わず、まず真摯に相手の思いを受けとめる余裕を与えてくれる。そう、頭ごなしに自分の意見を押し付けるのではなく、また安易に同調するのでもなく、たとえ結果的に相容れない結論になったとしても、真剣に話した事実が、互いにより良い方向へ向かう為の取捨選択に繋がるのではと。
 私達はつい思い込み、慣習、常識と言った同一尺度で安易に
相手を判断し兼ねない。本来正しいとされていた言葉の意味さ
え、間違った用い方が多く成れば、正すのではなくそちらの意
味へと移行し、根本が変えられる現代社会だから尚更、まず、
耳を貸し、相手を理解し、自らの意志も堂々と語り、互いが納
得の上で反対か、同調かの結論を出しても遅くは無い。

十人十色、
人は元来なかなか理解し合えないものと捉える方が正しいのか
も。しかし、意思表示、不平不満?を口にする事が生命を脅か
す事になりかねない国が現実にある中で、私達は自分の思いを
人に向かって堂々と伝える事が可能な、言論の自由が認められ
た社会に生きている。そう思えば、むやみに相手を攻撃、見下す、
強制、回避するのではなく、許された言葉で真剣に思いを伝え、
語り合い理解し合えたなら、もう少し穏やかな日々、穏やかな
世の中になるのでは…。
 陸前高田の学芸員の中でただ一人の生存者となった男性が、
「そんな物を捜すよりも人を捜せ!」と云う非難を浴びながら文
化財を捜した。何故なら被災者が自分の家のあった場所で自分
の生きた証しを捜し出していた様に、地域の資料や文化財は市
が市である証しであり、復興には欠かせない…と。当時、被災
し無くなってしまった桜並木を眺め「あの桜が見たい」の言葉
に「こんな状況の中で花なんて、何んていう事を!」と非難さ
れた人の話を思い出した。人が何かと向かい合う時、自分の為
に必要な物は人それぞれであり、第三者がその善し悪しの判断
をするのは難しい。
 東日本大震災から6年。多くの人の数々の思いがメディアに
よって伝えられた。しかし、特別に思い出す日ではなく、日々
現実と向き合っている人々にとっては毎日がどう生きていくか、
まだまだ先が見えない中での苦闘の連続。言葉で表せない地元
の痛みを少しでも共有できればと改めて思う。

          

                華道専慶流 西阪慶眞


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花模様  専慶流