●2019年3月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
●花材/ モモ、ヤマナシ、タマシダ、フリージヤ
●花型/ 現代花

 

ポイント 
 3月三日は女の子の節句で、スクスクと成長を願う意味で、桃の花の若い枝を飾る風習がある。この時期、自然下ではまだ花が咲かないため、室で温め、即成させたものを使用。
節句が終わると今度は「ひねた」素材を使用し、古びた幹の強さ、豪華な花の集合を取り上げる。
つまり、節句までは伸び伸びとした姿を。以降は桃本来の力強い花木の姿を見せます。
ここでは、若い山梨の葉葉を添えて旺盛な花木と新緑への季節の雄姿を現しています。

枯木を素材の一部に

 
 太い幹にアルミホイルを叩き込み、異質な素材に。
山間部に自生するシャクナゲの自然と異質のコラボ。
(シャクナゲは5月の花で、写真の素材は加温処理したもの)

 

●花材/ シャクナゲ
●花器/ 枯木

 

 いけばな専慶流/能面 ゴッドセフィアーナの花


期待を込めるスタート

 平成31年3月…いつものように一年の締め括りとして迎える年度末だが、新な元号で歴史が刻まれる5月を前に、平成と言う元号のみが存在する最後のひと月となる。現代はデジタル社会、可能な限りスムーズに時代を移行するためには、雑多な新年度の始まりに重なるにも関わらず前倒しで4月に新元号の発表も仕方のないこと。ただ、様々な時をもって、節目、けじめを意識する者にとっては、どこかけじめのつかない曖昧感はぬぐえないように思う。
 メディアでは、遡ることおよそ一年「平成最後の…」と、ひと時代の終わりを印象付け、年明けからは、新な時代への夢、希望、指針への準備?、多方面から昭和、平成と云う時代を振り返る。良い事は更に向上へ、悪しき事は改善、排除へと促すような…。
 ふと、昭和、平成、そして新な元号の下に生きる自分を思った。戦争と復興、原爆と原発、アポロの月面着陸とはやぶさの帰還からリュウグウ着陸へ…、2度のオリンピック、万博、バブル、様々な未曾有の自然災害、環境汚染等々人的災害、目や耳にしてきた犯罪の数々…忘れていた記憶と現実を辿りながら、積み重ねてきた時の長さに改めて気付く。
 スポーツ界では若い選手が世界のトップを競う姿、世界中のあらゆる分野で多くの日本人が活躍している姿、ノーベル賞受賞や受賞の可能性が毎年取り上げられる等々…子供の頃には奇跡的な感覚であったものが、今は普通に目や耳に届く。そしてどの結果にも、そこには気の遠くなるような時間と忍耐と努力の積み重ねがあり、それが無条件に私達に感動と感嘆、そしてエネルギーと誇りをもたらしてくれる。反面、戦争やテロや自然災害の下で、取り返すとの出来ない大きな痛手を受けてきたこと、荒んだ心のも現れ?、昔には考えられなかった、あり得なかった犯罪が横行している現実に、他人事とは思えない痛みや、悲しみ、苦しみを感じる日々でもある。

 過ぎた時代に比べて平成の世は平和だった、と語られるのを耳にする。理由は、戦争が無かったから…と。確かに…と受け止めながらも、様々な現実を前に、歴史の良し悪しを比べる基準は何処にあるのか。過ちを繰り返さないために、過去の経験に学びながら、訪れる時の中では、精一杯の考えと判断が求められる。そう、今どうあるべきか、何が出来るのか、何をすべきなのか…。 価値観は人それぞれだが、人は一人ではない、共に同じ時を生きている者同士。自分さえ良ければ…ではなく、互いが互いを思いやり、労る気持ち、協調性が有れば人と人が寄り添え、もっと穏やかな日々を送れるのでは。
 遠い日に、未来社会はどんな世界だろうと空想、夢物語として想像していた社会、平成の世は、その想像を遥かに越える超近代社会となった。止まるところのない最先端の技術開発が作り上げて行く社会、訪れる新しい時代がどんな時代になるのか、ITが創り出す世界など想像すると気分が乱れる。ただ、夢のない社会は空しいが、夢を追う余り、身近で一番大切にすべきものを見失っては、本末転倒。内面的にも豊かな心暖まる社会であってほしいと願う。

 

 

               華道専慶流 西阪慶眞


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