1999年9月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞


花材/栗、ワレモコウ、りんどう、菊

ポイント 実は初秋には収穫期を迎えるため、時期が遅れるとイガが茶色に変わり、落ちやすくなる。葉は大部分を整理し、アクセント扱いとし、実と茎を引き出す。カンスランやシャガなどを添えると風趣がプラスされます。



花材/野イバラ、ヘリコニア、蔓ムラサキ、ツワブキ

ポイント 実ものでは裸木が多く、その幹の動きをどのように捉えるかがポイント。ここではアーチ状に構成し、右下がりのアンバランスに動きを求めています。野イバラは半蔓性のため撓めはきくが、古木は折れやすいのでそれぞれの素材を知る事。また、刺はあらかじめ取っておくといいでしょう。蔓ムラサキは水揚げが悪いため根付きで使います。代替え素材としてはゴッドセフィアーナ、アスパラなど。


 奈良県飛鳥の彼岸花

こだわりの選択肢

 街のあちらこちらに出現したコンビニエンスストアー。日用品に加えて食料品、雑誌、ビデオテープ、CDなど、日常必需品はほとんど揃う。最近ではカラーコピー機も設置、その他旅行の予約、各種チケットの購入、さらには公共料金の払込サービスまで加わり、利用者層も厚くなっている。
 私達の食生活に変化をもたらしたのはインスタント食品の普及だけでなくコンビニの乱立が拍車をかけ、レトルトの利便さと引き替えに、当然にして食文化の低下を押し進めている。私たちが慣れ親しんだおふくろの味、家庭の味、ふるさとの味が音をたてて崩れているという。
 どの家庭にも独特のお惣菜、おばんざいに工夫がこらされ、これらを囲みながら家族だんらんに花を咲かせたものであり、そこに家族の絆や感謝の念を自然発生的に育んでいたのである。
 考えてみれば食文化にしろいけばなにせよ、あるいは前栽にせよ継続的な研究と磨きをかけた膨大な時間と知恵の蓄積。それは実に地味な、努力を惜しまない陰の勤勉さが支えてきた。季節に合わせた料理は舌を満足させるだけではなく目を楽しませる色や形にも工夫が、ときには香りにまで配慮した盛り付けがされ、食欲をそそる。綺麗に掃き清められた庭、心洗われるような涼やかないけばな…。こうしたさりげない、それでいてこだわりの行為は日本人の誇りでもあり美学でもあった。
 癒しが取り沙汰され、心のケアが最大課題となっている世紀末。利便、簡略、合理化が産み落としたもう一つの歪みでもある。介護法の制定や介護士の養成もいいが、すさんだ心を育む土壌を形成している現在の生活環境が最も大きな問題であろう。それは意外にもひとり一人の家庭に端を発していると見るのは決して言い過ぎではないと思うのだが。
 「時の流れとともに変わるもの、変えたいもの、変えてはいけないもの」。この選択肢をはき違えないよう民族の発展、文化高揚につなげたいものである。

                              華道専慶流 西阪慶眞


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